自動車整備の基本を学ぼう:工具の使い方をしっかり理解しておこう

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整備士への整備ガイド
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自動車の整備には、工具が必要です。正直に言いますと、工具がない状態では整備士は何もできません。工具は誰でも使えるものだと思われるかもしれませんが、実際には工具を正しく使いこなすことも整備士として非常に重要なスキルです。

基本的な工具としては、ドライバー、スパナ・レンチ、ラチェット・ソケット、プライヤー、ハンマーなどがあります。さらに、専用の工具などもあり、作業に応じて使い分ける知識が必要となります。まずは基本的な工具についての使い方をしっかりと学んでおきましょう。

工具の使い方の基礎:ドライバーの使い方を学びなおそう!

ドライバーには、+(プラス)と-(マイナス)の締め付け種類があります。さらに、精密ドライバーからJIS規格の4番まで、さまざまなサイズが存在します。使用するネジに適したサイズを選ぶ必要があります。一般的な基本工具としては、JIS規格の2番がよく使われます。

ネジを緩める際には、ドライバーをネジに押し付けながら、力を加えて半時計方向に回します。必ず押し付ける方向に適切な力を加えるようにしましょう。力が弱いとネジ山が傷ついてしまいます。ネジ山が傷つくと、ネジを緩めることができなくなってしまいます。

もしネジ山を傷つけてしまった場合は、ネジ山の頭部分を軽くハンマーでたたいて、なめた部分を修正してみてください。その後、ドライバーをネジに押し付け、ドライバーの後端を軽くハンマーでたたきながら、力を加えて緩める方向に回してみてください。たたくことでネジのドライバーが食い込むのと、衝撃を与えることで緩みやすくする効果があります。

また、ドライバーの後端をたたく衝撃を利用して緩めるために、貫通ドライバーというタイプもあります。貫通ドライバーは、ドライバーの軸部分が柄の部分を貫通しており、後端が出ているものです。たたいた衝撃が直接届くのでより効果的です。
私は個人的には貫通ドライバーを好んで使用しています。

緩めることが難しいネジの場合は、インパクトドライバーという専用工具もあります。これは、後端をハンマーで叩くことで生じる力をネジを緩める方向に変換する専用工具です。

ドライバーを使用する際の基本は、回す力よりも押し付ける力に重点を置くことです。適切な方法でドライバーを使いましょう。

工具の使い方の基礎:スパナやレンチを使い分ける

ボルトを緩めたり締めたりする工具として、スパナとメガネレンチがあります。
違いは、スパナは先端が開いていてレンチは閉じているという点です。

自動車の整備では、メガネレンチがよく使われます。なぜなら、自動車のボルトは振動によって緩むことを防ぐために、しっかりと締まっているからです。ボルトを緩めるときにスパナを使うと、ボルトの頭をなめてしまい、外すことができなくなることがあります。そのため、メガネレンチを使ってボルトの頭に水平に当てて緩めたり締めたりすることが大切です。

ただし、メガネレンチが使えない場所もあります。例えば、ワイヤの取り付け部分などです。そのような場合にはスパナを使います。しかし、スパナを使う際には注意が必要です。強く締まっているボルトに力を加えると、スパナの口が広がってしまい、ボルトの頭を傷つけてしまう可能性があります。力を加える際には注意し、なめそうだと感じたらスパナの使用を中止しましょう。また、ボルトに対してはスパナを水平に使うことが基本です。

メガネレンチが使えない場合で、スパナではなめてしまいそうな場合には、専用の工具であるフレアナットレンチが役立ちます。フレアナットレンチはスパナに似た形状をしていますが、口の形状はメガネレンチに近く、4面接触でナットをしっかりとホールドします。これにより、ナットを傷つけることなく回すことができるため、ブレーキパイプやエアコンの配管を外す際にはフレアナットレンチが重宝します。

スパナやメガネレンチは、適用するボルトのサイズに合わせて長さが異なっています。
この長さの違いにも意味があって、一定の力で締めたときにボルトに合ったトルクになるように設計されています。

工具の使い方の基礎:ラチェットの種類と使用の注意点

ラチェットとは、ラチェットハンドルとソケットを指す工具です。

自動車整備において、ラチェットハンドルは最もよく使われる道具の一つで、価格帯も幅広くあります。安価なものから高価なものまで様々です。

高価なラチェットハンドルは、ギアの歯数が多く、狭い場所でボルトを緩める際に特に便利です。ただし、比較的壊れやすい工具でもありますので、安価なものはギアの歯数が少なく、強度も低いため、使用する際には力を掛けすぎないように注意しましょう。

また、小さなサイズのボルトを締める際には、ラチェットハンドルがオーバートルクになってしまい、締めすぎたり、最悪の場合はネジ山をつぶしたりボルトを折ってしまう可能性があるため、注意が必要です。

さらに、「板ラチェット」と呼ばれる形状のメガネレンチも存在します。板ラチェットはソケットのように交換することはできないので、各サイズの板ラチェットを揃える必要があります。

工具の使い方の基礎:プライヤーとハンマーはどう使う

自動車整備において、プライヤーはホースのクランプを外したり、エレクトロタップを取り付ける際に必要な工具です。

一般的なプライヤーに加えて、バイスプライヤーやウォーターポンププライヤーなども整備には必要です。バイスプライヤーは、物をつかむ力が強く、ロック機能もありますので、+(プラス)ネジをなめてしまった場合にはネジをつかんでロックし、緩めるのに役立ちます。

ウォーターポンププライヤーは、固着してしまったラジエターホースを取り外す際に使用することができます。

また、ハンマーは、足回りのジョイントを外す際や貫通ドライバーを使ってネジを緩める際にも活用されます。

まとめ

最低限の基本的な工具について、説明してみました。
自動車整備には、多数の専用工具がありますが普段の整備をするには上記の工具がメインになります。
整備士のスキルには、正しい工具の選択と正しい工具の使い方が必要不可欠です。
どのような工具があるのか、常にチェックをすることを心掛けましょう。

  • ドライバーは、回す力より押し付ける方向にしっかり力を入れましょう。
  • スパナとレンチは、ボルトに対して水平に当てること。
  • スパナでは、強く締まったボルトを緩めるのは避けましょう。
  • ラチェットで、小さなボルトを締めるときはオーバートルクにならないように注意する。
  • 用途に応じた最適な工具選択は、整備士の重要なスキルです。
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