整備士は休みが少ない?年間休日・土日休みの実態と職場を変える判断基準

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※2026年10月28日時点で確認した公表資料と、筆者の整備・検査・工場管理の実務経験をもとにしています。

「整備士は休みが少ないと聞くけれど、本当なのか」

「休日はあるのに、家族と予定が合わない」

「子どもの行事がある土日に休みたい」

整備士の休日を考えるとき、年間休日の日数だけでは分からないことがあります。

結論からいうと、整備士だから一律に休みが少ないわけではありません。休日の日数も、休める曜日も、勤務先によって違います。

私はディーラーで整備士、検査員、工場管理などを経験してきました。

私が見てきた職場には、定休日にシフト休日を組み合わせる働き方があり、休日に呼び出されることも基本的にありませんでした。

それでも、土日・祝日は来店や入庫が集中します。平日に休めていても、家族と同じ日に休むには調整が必要でした。

つまり、確認したいのは次の3つです。

  • 休日の日数が足りているか
  • 自分や家族の予定に合う曜日に休めるか
  • 希望休や有給休暇を実際に使えるか

この記事では、公的資料と私の現場経験を分けながら、休日条件の見方と、職場を変えるか考える判断基準を整理します。

整備士は休みが少ない?年間休日の比較目安

「自分の会社は休みが少ないのか」を考えるには、まず年間休日を確認する必要があります。

厚生労働省の令和7(2025)年「就労条件総合調査」によると、調査対象企業における労働者1人平均年間休日総数は116.6日でした。

ただし、これは**自動車整備士の平均ではありません。**常用労働者30人以上の民営企業を対象とした数字で、小規模な整備工場まで含めた整備業界全体を表しているわけではありません。

出典:厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査 結果の概況」

116.6日は、求人や今の勤務条件を比較するときの参考になります。ただし、平均より多ければ働きやすい、少なければ働きにくいと、それだけで決まるものではありません。

休日出勤や残業が多ければ、会社が定める休日数だけでは実際の負担を把握できないからです。

年間休日と有給休暇は分けて考える

求人を見るときに注意したいのが、年間休日と有給休暇の違いです。

項目 意味
年間休日 定休日やシフト休日など、会社があらかじめ休日として定めている日
年次有給休暇 本来の勤務日に、賃金を受け取りながら取得する休暇

「年間休日120日」と「年間休日115日+有給取得5日」は、同じ条件ではありません。

求人に「年間のお休み120日」などと書かれていたら、有給休暇を含む数字なのかを確認するといいでしょう。

年末年始や夏季の長期休暇についても、会社の休日なのか、計画的な有給取得を含むのかを分けて見ることが大切です。

「週休2日」と「完全週休2日」は違う

休日条件で見落としやすいのが、週休2日の表記です。

「週休2日」と書いてあっても、毎週2日休めるとは限りません。

表記 確認したい内容
完全週休2日制 毎週2日の休日がある。土日休みとは限らない
週休2日制 毎週2日とは限らないため、頻度や会社カレンダーを確認
定休日+シフト休 シフト休日が毎週あるのか、月に何日あるのかを確認
土日休み 毎週なのか、一部土曜出勤があるのかを確認

厚生労働省は、完全週休2日制を、毎週1週間に2日休む制度として説明しています。

出典:厚生労働省「多言語用語集」

私が見てきたディーラーにも、定休日とシフト休日を組み合わせる職場がありました。ただし、同じ表現でも、会社によって休日の組み方は違います。

制度名だけで判断せず、年間の勤務カレンダーまで確認すると、入社後の行き違いを防ぎやすくなります。

週休2日を確保する取組にも会社差がある

国土交通省のガイドラインには、勤務スケジュールを見直すなどして、必ず週休2日を付与する取組の実施状況が掲載されています。

事業者単位の整備要員数 取組の実施率
16人以上 32%
6~15人 25%
5人以下 20%

これは、その取組を実施している事業者の割合です。「週休2日の整備士が32%しかいない」という意味ではありません。

また、この数字だけで、以前より週休2日の職場が増えたかどうかまでは判断できません。

整備業界でも、休日を確保する取組には会社ごとの違いがあります。

出典:国土交通省「自動車整備士等の働きやすい・働きがいのある職場づくりに向けたガイドライン」

ディーラー整備士は土日に休めない?

ディーラーでは、土日・祝日にお客様の来店が集中しやすくなります。

点検や車検、修理相談、納車などの予定が入り、サービス工場も忙しくなります。そのため、平日には休めていても、土日の休日は調整が必要になることがあります。

私が働いていて感じたのも、休日があるかどうかとは別に、家族と同じ日に休めるかという難しさでした。

子どもの行事と仕事が重なることがある

運動会や発表会、スポーツの大会など、子どもの予定が週末に入ることがあります。

年間休日が十分にあっても、参加したい行事の日に休めなければ、休日条件に不満を感じるのは自然なことです。

一方、平日休みには、役所や病院へ行きやすい、混雑を避けて買い物や外出ができるといった便利さもあります。

どちらが合うかは、自分と家族の生活によって変わります。

事前に調整して土日に休める職場もある

私が経験した職場では、事前に予定を伝え、入庫や担当作業を調整して、土日に休むこともできました。

予定が早めに分かっていれば、作業を前後へ動かしたり、別の整備士へ分担したりする時間を取れます。

ただし、必ず希望どおりに休めるとは限りません。整備士の人数や入庫台数、シフトの組み方によって変わります。

確認したいのは、希望休の制度だけでなく、実際に土日の休みを取っている社員がいるかです。

年に数回、行事の日に休みたいのか、毎週家族と休みを合わせたいのか。この違いも、職場を選ぶ条件になります。

モータースでも休日条件は会社ごとに違う

私が見てきた個人経営のモータースには、日曜・祝日を休みにする職場もありました。

ただし、「モータースなら日曜に休める」「ディーラーなら平日休み」と、一括りにはできません。

日曜固定休の職場でも、土曜出勤の回数や年間休日数は異なります。業態のイメージではなく、会社ごとの勤務カレンダーを確認することが大切です。

有給休暇や急な休みの取りやすさは、職場の体制で変わる

休みやすさは、制度だけで決まりません。

休暇に合わせて入庫を調整できるか、担当者が不在でも作業状況が分かるか。日々の仕事の組み方も関係します。

有給休暇は「取らせてもらう」だけの制度ではない

年次有給休暇は、一定の条件を満たす労働者に認められる権利です。

原則として、労働者が請求する時季に与える必要があります。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合には、会社が別の時季へ変更できる仕組みがあります。

また、年10日以上の有給休暇が付与される労働者については、使用者に年5日の取得を確保する義務があります。本人が取得した日数などは、この5日に含まれます。

年5日は、取得できる上限ではありません。

出典:厚生労働省「労働条件・職場環境に関するルール」

私が経験した職場でも、休暇に合わせた仕事量の調整は必要でした。だからこそ、本人の遠慮だけに頼らず、入庫や作業分担を調整する体制が重要です。

求人に「有給休暇あり」と書かれているだけでは、実際の取りやすさまでは分かりません。配属予定の職場で、どのように取得しているかを確認したいところです。

重整備や故障診断の途中は引き継ぎに注意が必要

家族の病気や自分の体調不良などで、急に休まなければならないこともあります。

そのとき、エンジンやミッションの分解途中、故障診断の途中などでは、別の整備士がすぐに引き継げない場合があります。

  • どこまで作業を終えたか
  • 外した部品をどこに保管したか
  • 何を確認し、どんな結果だったか
  • 次に何を確認する予定か

こうした情報が必要になるからです。

私自身も、急に休む必要があるとき、途中の重整備があると調整の難しさを感じました。

引き継ぎに工夫が必要だからこそ、担当者しか作業状況を知らない状態を減らすことが大切です。

作業記録や診断結果を共有し、必要に応じて別の整備士が対応できる仕組みが、急な休みを支えます。

繁忙期だけか、一年中休みにくいのかを分ける

車検が集中する時期や、地域によっては季節のタイヤ交換が増える時期など、入庫が多くなることがあります。

ただ、特定の時期だけ調整が難しい職場と、慢性的な人手不足で一年中休みを取りにくい職場では、状況が違います。

「忙しいから」で終わらせず、休みを確保するための対策や、改善の見込みがあるかまで見る必要があります。

休みを理由に職場を変えるか考える判断基準

休日への不満が続くと、「整備士を辞めた方がいいのか」と考えることがあります。

その前に、何を改善したいのか、今の会社で対応できる余地があるのかを整理してみます。

今の状況 先に確認したいこと
日数は足りるが、家族と予定が合わない 土日の希望休や休日の曜日を調整できるか
特定の繁忙期だけ休みにくい 年間予定やスタッフ間の調整で対応できるか
一年中、希望休や有給を使いにくい 人員配置や入庫管理に改善の見込みがあるか
急な休みに対応する人がいない 作業記録と引き継ぎの仕組みを整えられるか
休日不足に残業や身体の不調も重なる 業務量や担当作業を見直せるか

社内で相談した後は、実際に変わるかを見る

相談するときは、困っている場面を具体的に伝えると話を進めやすくなります。

「子どもの行事がある日は土日の希望休を取りたい」

「連続勤務が続くため、休日の間隔を見直したい」

「有給を申請しても調整がつかない状態が続いている」

このように、希望する改善を明確にします。

その後は、「対応する」という説明だけでなく、実際にシフトや業務量が変わるかを確認します。

相談を重ねても改善せず、今後の見込みもない場合は、他社の条件を比較する理由になります。

整備士を辞めたいのか、今の会社の条件を変えたいのか

整備の仕事は好きで、休日条件が改善すれば続けたい。その場合は、別の会社で整備士を続ける選択肢があります。

一方、休日以外にも仕事内容や身体への負担に悩みがあり、仕事自体を変えたいなら、別の職種も含めて考える段階です。

今の会社への不満と、整備士という仕事への気持ちは、分けて考えることが大切です。

「今の会社で続ける」「別の会社で整備士を続ける」「別の仕事へ移る」で迷っている方は、次の記事で判断基準を整理しています。

▶ 自動車整備士から転職するべき?続ける人・辞める人の判断基準

腰痛などで現場作業そのものがつらい場合は、休日の調整とあわせて、作業内容や負担の見直しも必要です。

▶ 整備士の腰痛が限界…続けるべき?転職すべき?後悔しない判断基準

求人では休日・給与・実際の働き方を合わせて確認する

他社を見るときは、最初に譲れない条件を決めておくと比較しやすくなります。

毎週日曜に休みたいのか、年に数回の行事に参加できればよいのか。休日の日数を増やしたいのか、連休が必要なのか。

ここが曖昧なままだと、年間休日の数字だけで選び、同じ不満を抱える可能性があります。

面接で確認したい休日条件

確認項目 聞いておきたいこと
年間休日 有給を含まない日数か、勤務カレンダーはどうなっているか
週休2日の内容 毎週2日なのか、月に何日休めるのか
休日の曜日 定休日、土曜・祝日の出勤はどうなっているか
希望休 申請時期、土日の取得実績、調整方法
有給休暇 配属予定の職場での取得状況
長期休暇 日数と、有給を使う日が含まれるか
急な休み 作業や顧客対応を誰が引き継ぐか
休日出勤 頻度と、振替・賃金の扱い
残業・給与 実際の労働時間と年収、資格手当など

家族との時間を重視するなら、面接では、

「子どもの行事などで、土日に希望休を取っている整備士の方はいますか」

と聞くと、運用の実態を確認しやすくなります。

同じ会社でも店舗や工場で状況が違う場合があるため、配属予定の職場について聞くことがポイントです。

休日と給与・手当を合わせて比較したい方は、こちらで詳しく整理しています。

▶ ディーラー整備士の年収はいくら?給料・年間休日の最新求人と待遇を上げる方法

相談先が自分の希望に合うかも確認する

転職相談を利用する場合も、整備士として会社を変えたいのか、異業種へ移りたいのかで、必要な情報は変わります。

サービスごとに得意な職種や地域、対象層が異なり、希望する求人を必ず紹介してもらえるわけではありません。

次の記事では、まだ転職を決めていない段階での相談の考え方と、各サービスの違いを整理しています。若年層向けのサービスも含むため、自分の年齢・地域・希望職種に合うかを確認したうえで検討するといいでしょう。

▶ 整備士を辞めたい人向け転職エージェント3選|まだ転職を決めていなくても使える相談先

比較した結果、今の会社で続けると決めても構いません。他社の条件を知ることは、今の会社に何を相談したいかを整理する材料にもなります。

よくある質問

整備士の年間休日は平均何日ですか?

本記事で紹介した116.6日は、整備士の平均ではなく、厚生労働省の調査対象企業全体における労働者1人平均の数字です。

整備士の休日条件は勤務先によって異なります。年間休日に加えて、休日の曜日や休日出勤、有給休暇の取得状況も確認することが大切です。

ディーラー整備士は土日休めないのですか?

土日が絶対に休めないわけではありません。

私が経験した職場では、事前に予定を伝え、入庫や担当作業を調整して休むこともできました。ただし、毎週の土日休みと、年に数回の希望休では条件が違うため、分けて確認する必要があります。

週休2日なら毎週2日休めますか?

「週休2日」という表記だけでは、毎週2日とは限りません。

毎週2日の休日があるのは完全週休2日制です。ただし、完全週休2日制でも土日休みとは限らないため、曜日や勤務カレンダーまで確認するといいでしょう。

有給休暇は年5日しか取れませんか?

年5日は取得できる上限ではありません。

年10日以上の有給休暇が付与される労働者について、使用者が取得を確保する必要がある日数です。残りの有給休暇についても、法令に沿って取得できます。

年間休日120日なら働きやすい会社ですか?

休日数の一つの目安にはなりますが、それだけでは判断できません。

家族との予定を重視するなら休日の曜日や希望休、身体を休めたいなら残業や連続勤務の状況も確認する必要があります。

まとめ|休日の日数と、希望日に休めるかを分けて確認する

整備士の休みは、勤務先によって異なります。

確認したいのは、休日の日数、休める曜日、希望休や有給の取りやすさです。

私がディーラーで働いていたときも、休日はあっても、家族と同じ日に休むには調整が必要でした。また、急な休みに対応するには、入庫管理や作業の引き継ぎも重要でした。

まずは、自分が何に困っているのかを整理し、今の会社で改善できるかを確認してみます。改善が難しい場合は、休日と給与、仕事内容を合わせて他社と比較すると判断しやすくなります。

休日条件が変われば整備士を続けたいのか。それとも、仕事そのものを変えたいのか。

ここで迷っている方は、次の記事で自分の状況と選択肢を照らし合わせてみてください。

▶ 自動車整備士から転職するべき?続ける人・辞める人の判断基準


参考資料

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