ディーラー営業 顧客フォローの基本

ディーラーの営業の仕事
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ディーラー営業における最大の武器は“フォローの継続性”です。
既存顧客は新規顧客よりも購入確率が高く、ハーバード・ビジネス・レビューの整理でも、顧客維持率5%改善で利益25〜95%増と示されています。

加えて、近年は整備士不足などの影響から、メーカーの点検制度すら変わり始め(例:一部メーカーでの6カ月点検廃止方針)、従来の来店動線に依存する営業スタイルは成立しにくくなってきました。

だからこそ今後は、
「節目フォロー」+「価値提供」+「継続」
この3つを実践できる営業が、もっとも成果を伸ばしていきます。

結論:節目フォローに“継続”を掛け合わせると、顧客が自然に動き出す

営業活動において、提案は地道で即効性がありません。
反応が薄い時期もありますし、「送っても意味あるのか?」と感じることもあるでしょう。

しかし実務では、
続けているうちに“お客様のほうから動き始める瞬間”が必ず訪れます。

  • 「そろそろ車を買い替えようと思って…」

  • 「子どもの車を考えてて相談したくて」

  • 「前に送ってくれた点検案内、助かったよ」

こうした“顧客発の行動”は、継続フォローが積み上げた信頼の結果です。

継続は力なり。
フォローの質 × 継続回数 = 将来の商談・紹介につながる。

 業界変化の今こそ、フォロー継続の価値が最大化する

● 整備士不足 → 6カ月点検廃止(検討)

これまで「6カ月点検=自然な入庫接点」だったものが、今後は失われる可能性があります。

● 自動車販売の“常識”が変わる時代

従来の
「点検 → 来店 → 商談」
という導線が成り立ちにくくなり、営業自身のフォロー活動が成果を左右します。

だからこそ
“点検制度に依存しないフォロー”
が必要です。

 節目フォローの基本(制度が変わっても使える型)

フォローの起点は次の4つ。
制度が変わっても、この4つは“顧客心理の節目”として残ります。

  • 納車1週間後

  • 半年フォロー(6カ月点検が廃止されても接点としては継続)

  • 12カ月(法定点検)

  • 車検前(満了2カ月前から手続き可)

 納車後1週間フォロー(不変の最重要ポイント)

6カ月点検の廃止によって“最初の接点”の価値はさらに高まります。

▼ 30秒台本(電話)

「〇〇様、ご納車から1週間ですが、操作で1点だけ気になる部分はありませんか?
すぐ確認できる操作ガイド(リンク)をお送りします。
ご不安な点はすべて一緒に解消していきますので、気軽にご相談ください。」

 半年フォロー(点検がなくても接点として維持する)

制度変更で点検が縮小されても、半年は
“気になる点が出やすい時期”
として営業に重要なタイミングです。

▼ 半年フォロー文例

件名:ご様子いかがですか|簡易チェックのご案内
本文:〇〇様、納車から半年です。乗り始めて気になる点はありませんか?
必要に応じて簡易チェックやアドバイスをご用意しています。
空き状況はこちら(予約リンク)。

※「点検」ではなく「フォロー」「チェック」という表現に切り替えられる。

 12カ月点検(法定)フォロー

ここは制度上必ず来店があるため、確実に押さえるべき接点。

▼ チェックポイント

  1. 「法定点検=安全項目の検査」

  2. 過去履歴に合わせた個別提案

  3. 所要時間・費用の明確化

  4. 予約リンクの前方配置

 車検前(満了2カ月前から可)

2025年から制度変更により、2カ月前から手続き可能に。

営業がアプローチしやすい“新たな黄金期間”です。

  • 早割

  • 代車確保

  • 時間短縮
    を組み合わせると成約率が大きく上がります。

 電話・LINE・メールの最適運用(継続フォローの質を高める)

● 電話:信頼構築の要

感情 → 事実 → 選択肢 → 行動 の順で話すと自然。

● LINE/DM:

  • 同意取得

  • 停止導線

  • 1通1目的

これを守れば継続配信でも嫌われません。

 継続フォローが“顧客発の商談”を生む理由

継続フォローには次の3つの心理効果があります。

● ① 単純接触効果

接触回数が増えるだけで好感度と信頼が上がる。

● ② 約束と一貫性の原理

以前フォローを受けた顧客は、
「次も相談しよう」という心理が働きやすい。

● ③ ハロー効果

「フォローが丁寧=この店なら安心」という総合評価に広がる。

だからこそ地道なフォローは、時間をかけて“将来の買い替え・紹介”を勝手に連れてくる。

 活動アップデートの重要性

自動車業界は今後も制度変更・働き方改革・電動化などで変化し続けます。

そのため営業も
“従来の型を守るだけでは成果が出ない時代”
に突入しています。

  • 点検制度の変化

  • 来店動線の減少

  • 情報取得のオンライン化

こうした変化に合わせて活動を更新することが必須です。

昔の常識は常識ではない。
だからフォローの型は常にアップデートする必要がある。

■ まとめ

フォローの本質は3つです。

① 節目で価値提供
② 提案は地道で即効性がない
③ しかし継続が“顧客発の行動”を生む

「そろそろ買い替えようと思って…」
と言ってもらえる営業は、例外なく“継続フォローのプロ”です。

まずは今日、
半年フォローのメッセージ(予約リンク付き)
を1件送るところから始めましょう。

継続は力なり。
その一歩が未来の商談をつくります。

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