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「EVが増えたら、整備士の仕事はなくなるのではないか」
「電子制御が複雑になり、今までの経験だけでは対応できなくなるのではないか」
こうした不安を感じることはありませんか。
結論からいうと、EV化によってエンジン関連の作業は変わりますが、車の点検・診断・修理がすべて不要になるわけではありません。
ただし、整備の仕事が残ることと、今の勤務先で新しい技術を学びながら働けることは、分けて考える必要があります。
私は整備士として12年間働き、ホンダ1級エンジニアとして点検・整備・故障診断を経験しました。その後は営業や工場管理にも携わってきました。
現場では、診断機のデータが増える一方、判断に必要な知識や、PC・診断機を使える環境の重要性を感じました。
この記事では、技術の変化と現場の課題を整理し、今の職場で何を確認し、どのような求人条件を比較すればよいかを解説します。
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EV化で整備士の仕事はどう変わる?
ここでは、エンジンを持たないバッテリー式電気自動車を「BEV」と表記します。ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車にはエンジンがあり、同じ扱いではありません。
エンジン関連の作業は減るが、車体や足回りの整備は残る
BEVにはエンジンや排気系がないため、エンジンオイル、点火プラグ、排気系部品などの整備はありません。
一方、次の部分の点検・修理は必要です。
- タイヤ・ホイール
- ブレーキ
- サスペンション・ステアリング
- 車体・ガラス・灯火類
- 空調・補機用バッテリー
- 駆動用バッテリー・充電系統
- カメラ・レーダーなどのセンサー
従来の機械整備や安全確認の経験を土台に、電気・電子制御への理解を広げることが重要です。
ただし、作業内容の変化から、工場全体の仕事量や整備士の年収まで一律に予測することはできません。入庫車種、担当業務、会社の評価制度によって変わります。
電子制御への対応は、すでに必要になっている
国土交通省の特定整備制度では、自動ブレーキなどに使う前方監視用カメラ・レーダーの調整等を、電子制御装置整備として位置づけています。www.mlit.go.jp
また、対象車の車検では、国産車は2024年10月、輸入車は2025年10月からOBD検査が導入されています。すべての車が対象ではありません。www.mlit.go.jp
OBD検査は基準への適合を確認する検査で、不具合の原因を特定する故障診断とは役割が異なります。www.mlit.go.jp
将来の完全自動運転だけを気にするより、現在の担当車種に必要な診断と確認を学ぶことが、身近な備えになります。
診断機が進化しても、整備士の判断は必要
「診断機をつなげば、故障箇所が分かる」と思われることがあります。しかし、私が経験した故障診断は、それほど単純ではありませんでした。
データが増えるほど、見るべき項目を選ぶ力が必要になる
電子制御化が進むにつれて、診断機で確認できる数値や項目が増えました。
情報が増えることは診断の助けになります。一方で、どの情報を見るか、どの条件で正常・異常を判断するかを理解していないと、原因を絞り込めません。
故障コードに関連する部品だけでなく、電源、アース、配線、通信、作動条件などを確認する必要があります。
診断機の情報を、症状や測定結果と照らし合わせる力が重要です。
症状が再現しないと、原因を絞り込めない場合がある
お客様が来店する前には異常が出ていたのに、入庫すると正常に戻っていることがあります。
その場合、診断機をつないでも、その時点のデータには異常が見られないことがあります。
ただし、症状が出ていないと必ず診断できないわけではありません。故障履歴や記録データが残る場合もあるため、技術情報と合わせて確認します。
- いつ、どのような条件で発生したか
- 気温、速度、始動直後などとの関係
- 警告灯や異音の有無
- 故障履歴や記録データ
- 再現確認に必要な条件
従来の経験を捨てるのではなく、情報の聞き取りと診断データを組み合わせることが大切です。
学び続けるには、勤務先の設備と支援も必要
技術への対応を、整備士個人の勉強だけで解決するのは難しいです。
診断機やPCの不足は、作業の進み方にも影響する
私が働いていた工場では、診断機をPCと接続して使用していました。
PCの台数に限りがあり、複数の整備士が診断を必要としていると、空くまで作業を進められないことがありました。
プログラムの更新で数十分使えなくなったり、更新が済んでいないため対象車両の診断を進められなかったりした経験もあります。
これは私が経験した環境の話で、すべての工場に当てはまるものではありません。ただ、機器があることと、必要なときに使えることは別だと感じました。
研修を受けた後、実務で使えるかまで確認する
研修制度があっても、自分が受講できるか、学んだ作業を担当できるかは確認が必要です。
| 確認項目 | 職場へ聞きたいこと |
|---|---|
| 研修 | 電子制御・EV・故障診断の研修に参加できるか |
| 費用・時間 | 受講費用と受講時間をどう扱うか |
| 設備 | 診断機・PC・測定器を必要なときに使えるか |
| 技術情報 | 整備書、配線図、メーカー情報を利用できるか |
| 指導 | 分からない作業や診断を誰へ相談するか |
| 安全 | 担当業務に必要な教育と保護具が用意されるか |
| 実務 | 研修後に経験を積む機会があるか |
| 評価 | 資格、診断、後輩指導が評価へどう反映されるか |
電気自動車等の整備には、担当業務に応じた特別教育の確認も必要です。厚生労働省は2024年の関連改正を案内しています。www.mhlw.go.jp
新しい技術を任されても、収入が自動的に増えるわけではない
診断技術や資格が給与へどう反映されるかは、勤務先によって異なります。
高度な作業を担当することだけでなく、資格手当、昇給、役職、評価項目を確認しましょう。
将来の不安が、技術の変化か勤務先の環境かを分ける
「整備士の仕事がこれからどう変わるか」と「今の会社でその変化に対応できるか」は、分けて確認したい問題です。
新しい業務を学ぶ機会、使える整備資料や診断機器、分からないときの相談先を確認すると、自分の職場で不足しているものを具体的にできます。
そのうえで、給料、休日、体への負担まで含めて働き方を比較したい場合は、将来性だけで進路を決めず、次の判断記事で整理してみてください。
学べる職場を探すなら、転職エージェントへ条件を伝える
今の勤務先以外の環境を知りたい場合は、在職中に転職エージェントへ登録し、応募できる求人を確認する方法があります。
登録する目的は、今の経験をどう評価してもらえるか、新しい技術を学べる職場があるか、待遇も含めて比較することです。
「将来性のある会社」より、具体的な希望を伝える
- 故障診断の経験を増やしたい
- 電子制御やEVの研修を受けたい
- 診断設備と技術情報が整った職場を希望する
- 経験者の指導を受けられる環境で働きたい
- 現在の年収・休日も比較したい
たとえば、面談では次のように伝えると整理しやすいです。
整備士として経験を積んできましたが、今の職場では研修や診断設備を使う機会が限られています。電子制御や故障診断を学べる求人を、年収・休日・勤務地も含めて比較したいです。
職歴には、資格、担当車種、点検・車検、故障診断、重整備、後輩指導などを整理しておきましょう。
紹介された求人は、教育と担当業務まで確認する
「EV対応」「研修充実」と書かれていても、内容は企業によって異なります。
入社後の指導担当、研修の時期、診断機の利用方法、実際に担当する作業を確認します。担当者の説明に加えて、面接や見学でも確かめるのがおすすめです。
紹介を受けても、条件が合わなければ応募を見送れます。登録時には、転職時期が未定であることや、希望する連絡方法も伝えましょう。
退職を決める前に、今の職場と比較できる情報を持つことが大切です。
▶ 研修環境と待遇を相談する|整備士向け転職エージェントの特徴と登録先を確認する
整備経験は、役割を変えても活かせる
私が営業へ移った後も、整備経験は車の維持費、故障、修理内容を説明する場面で役立ちました。
故障診断で身につけた、状況を聞き取り、情報を整理して原因を考える流れも、提案の土台になりました。
ただし、職種を変えれば必ず収入が上がるとは限りません。応募条件、仕事内容、給与制度を確認する必要があります。
別職種の具体的な仕事内容は、こちらで比較できます。
よくある質問
EVが増えると整備士の給料も上がりますか?
自動的に上がるわけではありません。勤務先の評価制度、資格手当、担当業務などで変わります。研修環境とあわせて、昇給の仕組みも確認しましょう。
診断機を使えれば故障原因は分かりますか?
故障コードやデータだけで確定できるとは限りません。症状、配線、電源、通信、技術情報などと照らし合わせて確認する力が必要です。
今の会社に研修がなければ、転職すべきですか?
すぐに結論を出す必要はありません。今後の研修予定や設備計画を確認し、他社の条件とも比較しましょう。
転職を決めていなくてもエージェントへ登録できますか?
情報収集段階の相談を受け付けるサービスもあります。転職時期は未定で、教育環境と求人条件を比較したいと伝え、利用条件を確認しましょう。
まとめ|技術の変化と、学べる職場環境を分けて確認する
EV化でエンジン関連の作業は変わりますが、点検、故障診断、車体や足回りの修理がすべてなくなるわけではありません。
一方、診断機の情報を読み取り、電子制御や安全手順を理解する力は重要です。
本人が学ぶことに加えて、研修、設備、技術情報、相談先を勤務先が用意しているかも確認しましょう。
今の職場だけでは比較しづらい場合は、転職エージェントへ登録し、研修環境と待遇を相談する方法があります。
まずは、経験を活かして応募できる求人を確認し、今後の選択肢を増やしてみてください。
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出典・確認資料
制度確認日:2026年10月14日
実体験は筆者が勤務していた当時の環境です。現在の制度や企業の条件とは分けてお読みください。

