整備士の将来性は?EV・自動運転・AIで変わる仕事と今から備える方法

整備士の転職
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「EVが増えたら、整備士の仕事は減ってしまうのだろうか?」

「自動運転やAIに対応できないと、この先は働けなくなる?」

こうした不安を感じている方もいると思います。

結論からいうと、EV・自動運転・AIの普及だけを理由に、整備士の仕事がなくなるとはいえません。ただし、担当する作業と必要な知識は変わります。

そして、整備の仕事が残ることと、今の職場で同じ作業・待遇を続けられることは別です。

これから確認したいのは、新しい技術を学べる環境があるか、その経験が担当業務や待遇へ反映されるかです。

私は整備士、営業、工場管理を経験してきました。その経験から、将来への備えは本人の勉強だけでなく、勤務先の研修、設備、技術情報まで含めて考える必要があると感じています。

この記事では、最新の業界動向を踏まえ、変わる整備業務、身につけたいスキル、学べる職場を比較する方法を解説します。

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  1. 結論|整備経験を土台に、新しい技術を学べる環境を選ぶ
  2. 最新動向|EVは広がっているが、整備現場の変化は一様ではない
    1. 「電動車」と「エンジンのない車」は違う
  3. EV化で減る作業と、引き続き必要な作業
    1. BEVではエンジン関連の作業が不要になる
    2. 車体・足回り・電装の整備は残る
    3. 高電圧・充電・冷却系統への理解が必要になる
  4. ADASとOBD検査は、すでに整備現場の仕事になっている
    1. カメラ・レーダーの調整には設備と手順が必要
    2. OBD検査と故障診断は同じではない
  5. 自動運転・AIで整備士の仕事はどう変わる?
    1. 運転支援の進化と完全自動運転を混同しない
    2. すべての整備士にAI開発が必要になるわけではない
    3. 生成AIは、回答を検証しながら使う
  6. 今から身につけたい4つのスキル
    1. 1.電気と電子制御の基礎
    2. 2.症状から原因を絞り込む力
    3. 3.安全手順を守る力
    4. 4.診断機と技術情報を扱う力
  7. 今の職場で新しい技術を学べるか確認する
  8. 将来への備えとして、学べる職場の求人を確認する
    1. 面談では経験と希望を具体的に伝える
    2. 「EV対応」の求人でも、担当業務を確認する
    3. 登録する段階で退職を決める必要はない
  9. 整備経験を活かすキャリアは現場作業以外にもある
  10. よくある質問
    1. EVが増えると整備士の仕事はなくなりますか?
    2. プログラミングを覚えないと働けなくなりますか?
    3. EVを扱う会社なら将来も安心ですか?
    4. 転職を決めていなくてもエージェントへ登録できますか?
  11. まとめ|学べる環境と待遇を比較して、将来に備える
  12. 出典・確認資料

結論|整備経験を土台に、新しい技術を学べる環境を選ぶ

「EVが増えるから整備士は不要になる」「資格があるから今のままで安心」と、どちらか一方に決めつけることはできません。

車の構造が変われば、必要な点検、診断、修理も変わります。

技術の変化 整備業務への影響 今から確認したいこと
EV化 エンジン関連作業が減り、電気・充電・冷却系統などへの対応が必要になる 安全教育とメーカー別の研修
運転支援の高度化 カメラ・レーダーなどの確認や調整が重要になる 作業手順、設備、特定整備への対応
ソフトウェアの高度化 診断情報や更新履歴を踏まえた確認が必要になる 診断機、技術情報、更新手順
AIの活用 運転支援や情報整理の方法が変わる 出力を検証する力と情報管理

今の職場で学べるなら、そこで経験を積む方法があります。

研修や実務の機会が限られているなら、別の勤務先の教育体制と待遇を比較することも選択肢です。

最新動向|EVは広がっているが、整備現場の変化は一様ではない

IEAの「Global EV Outlook 2026」では、2025年の世界の電気自動車販売は2,000万台を超え、前年から約20%増加したと報告されています。

この集計には、バッテリー式電気自動車とプラグインハイブリッド車が含まれます。www.iea.org

ただし、世界の新車販売が、そのまま日本の整備工場の入庫車種を表しているわけではありません。

地域、取り扱うメーカー、顧客の保有車によって、現場の変化の速さは異なります。

「電動車」と「エンジンのない車」は違う

日本の政策で使われる「電動車」には、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車などが含まれます。www.mlit.go.jp

ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車には、エンジンがあります。

そのため、「電動化が進むからエンジン整備がすぐになくなる」とは考えられません。

新車の動向だけでなく、実際に入庫する車種と、今後勤務先が扱う車を見ながら学ぶ順番を決めることが大切です。

EV化で減る作業と、引き続き必要な作業

ここでは、エンジンを持たないバッテリー式電気自動車を「BEV」と表記します。

BEVではエンジン関連の作業が不要になる

BEVにはエンジンや排気系がないため、次のような作業はありません。

  • エンジンオイル交換
  • エンジン用オイルフィルター交換
  • 点火プラグ交換
  • エンジンの燃料系統や排気系の整備

従来の整備メニューが、そのまま続くわけではありません。

ただし、これらの減少だけで工場全体の仕事量や収益を判断することもできません。入庫台数、車種、不具合の内容、診断に必要な時間などによって変わります。

車体・足回り・電装の整備は残る

BEVでも、次のような部分の点検や修理は必要です。

  • タイヤ・ホイール
  • ブレーキ
  • サスペンション・ステアリング
  • 車体・ガラス・灯火類
  • 空調
  • 補機用バッテリー
  • カメラ・レーダーなどのセンサー

エンジンがなくても、車を安全に使うための整備は必要です。

これまで身につけた機械整備、安全確認、電装診断の知識も土台になります。

高電圧・充電・冷却系統への理解が必要になる

BEVでは、駆動用バッテリー、インバーター、モーター、充電装置、冷却系統などへの理解が重要です。

ただし、すべての整備士がバッテリーパック内部を修理するわけではありません。メーカー、車種、工場の設備、担当業務によって作業範囲は異なります。

厚生労働省は、電気自動車等の整備に関する特別教育について、2024年の改正内容を案内しています。担当業務に必要な教育を確認し、メーカーの作業手順に沿って対応する必要があります。www.mhlw.go.jp

「EVの知識がある」ことと、「安全に担当できる作業範囲」は分けて確認しましょう。

ADASとOBD検査は、すでに整備現場の仕事になっている

ADASは、自動ブレーキや車線維持支援などの先進運転支援システムです。

完全自動運転が広く普及するのを待たなくても、電子制御装置への対応は必要になっています。

カメラ・レーダーの調整には設備と手順が必要

国土交通省の特定整備制度では、自動ブレーキなどに使われる前方監視用カメラ・レーダーの調整等を「電子制御装置整備」と位置づけています。

対象作業には、事業場、従業員、工具などの要件が定められています。www.mlit.go.jp

ガラスやバンパーなどの交換に伴い、車種や作業内容によってセンサーの調整が必要になる場合があります。

私が現場で経験したカメラ付き車のフロントガラス交換でも、交換後の調整に時間と精度が求められました。

こうした作業は、本人が勉強するだけでは対応できません。必要な設備、作業場所、メーカーの情報、確認できる担当者も必要です。

入社後に誰から学び、どの作業を担当できるかまで確認することが、職場選びのポイントになります。

OBD検査と故障診断は同じではない

OBD検査は、国産車では2024年10月、輸入車では2025年10月から、対象車の車検に導入されています。

すべての車が対象ではなく、所定の新型車で、車検証に「OBD検査対象」と記載される車両などが対象です。www.mlit.go.jp

OBD検査は、対象装置が保安基準に適合するかを確認する検査です。一方、故障診断は、不具合の原因を調べ、修理方針を決める作業です。www.mlit.go.jp

故障コードが表示されたからといって、該当部品の交換で必ず直るわけではありません。

症状、配線、電源、通信、センサー値などから原因を絞り込む力が必要です。

自動運転・AIで整備士の仕事はどう変わる?

AIを使った運転支援の開発も進んでいます。

日産は、WayveのAI技術と次世代LiDARを活用した次世代ProPILOTを、2027年度に国内の市販車へ搭載する予定としています。

これは将来の投入計画であり、現在すべての車に搭載されている技術ではありません。www2.nissan-global.com

運転支援の進化と完全自動運転を混同しない

運転支援と自動運転では、ドライバーの役割や使用条件が異なります。

整備士としては、ニュースの呼び方だけで判断せず、担当車両にどの機能があり、どのような条件で使う装置なのかを確認することが大切です。

高度なシステムでも、センサー、配線、制御装置、車両の状態が正常であることが前提になります。

すべての整備士にAI開発が必要になるわけではない

AI搭載車が増えても、すべての整備士にAI開発やプログラミングが必要になるとはいえません。

現場で優先したいのは、次の力です。

  • 装置の役割と使用条件を理解する
  • メーカーの整備情報を確認する
  • 診断結果と実際の症状を照らし合わせる
  • 修理後に必要な機能確認を行う

今後の担当業務は、メーカーや勤務先によって変わります。

ニュースだけで不安を膨らませず、自分が担当する車種と会社の研修・設備計画を確認しましょう。

生成AIは、回答を検証しながら使う

生成AIを学習や情報整理へ使う場合は、用語の理解、報告書の構成、確認項目の整理などに役立つ可能性があります。

一方、誤った説明や、車種に合わない手順が含まれる場合があります。

実際の修理判断は、メーカーの整備書、配線図、技術情報、測定結果を根拠に行います。

顧客情報や社外秘の資料も、会社が認めた方法で扱う必要があります。

AIの回答をそのまま使うのではなく、整備知識で確かめる力が重要です。

今から身につけたい4つのスキル

1.電気と電子制御の基礎

最初から難しいIT分野へ進む必要はありません。

電圧・電流・抵抗、電源とアース、センサー、配線図、車載通信など、診断の土台から確認しましょう。

2.症状から原因を絞り込む力

故障コードだけで部品交換を決めず、次の順番で考えます。

  1. どの条件で症状が出るか確認する
  2. 技術情報と点検手順を調べる
  3. 測定や再現確認を行う
  4. 原因と修理方針を整理する
  5. 修理後に症状と機能を確認する

これは従来の整備経験を活かせる部分です。

3.安全手順を守る力

高電圧作業や電子制御装置の整備では、経験だけで手順を省略しないことが大切です。

必要な教育、保護具、工具、担当範囲を確認します。判断に迷ったとき、作業を止めて相談できる体制も必要です。

4.診断機と技術情報を扱う力

診断機の操作、整備情報の検索、データの記録、ソフトウェアの更新履歴などを確認する場面があります。

IT資格を取ることだけを目標にせず、日々の診断や整備で必要な操作から身につけていきましょう。

今の職場で新しい技術を学べるか確認する

将来への備えを、本人の努力だけに任せるのは限界があります。

設備や技術情報がなく、研修にも参加できなければ、実務経験を積みにくいからです。

確認項目 職場へ聞きたいこと
研修 EV・電子制御・故障診断の研修に参加できるか
費用と時間 研修費用と受講時間を会社がどう扱うか
設備 診断機、調整設備、測定器がそろっているか
技術情報 担当車種の整備情報を利用できるか
指導 判断に迷ったとき相談できる担当者がいるか
実務 学んだ内容を実際の作業で使えるか
評価 資格や診断技術が給与・役職へどう反映されるか

設備があるだけでなく、自分が使用し、指導を受けられるかまで確認しましょう。

将来への備えとして、学べる職場の求人を確認する

今の職場で新しい技術を学べるか分からない場合は、転職エージェントへ登録し、別の会社の研修環境と待遇を比較する方法があります。

登録する目的は、自分の経験で応募できる求人を確認し、技術を学びながら年収や休日も維持・改善できるかを調べることです。

面談では経験と希望を具体的に伝える

  • 現在の資格と担当してきた作業
  • 今後経験したい故障診断や電子制御の整備
  • 必要な研修と指導体制
  • 希望する年収・休日・勤務地
  • 転職時期と、現在の情報収集状況

たとえば、次のように伝えると希望が整理しやすくなります。

整備士の仕事は続けたいのですが、今の職場では電子制御やEVの研修機会が限られています。診断設備と教育体制があり、故障診断の経験を積める求人を比較したいです。年収と休日も、現在の条件と比べて確認したいです。

資格だけでなく、担当車種、点検・車検、故障診断、重整備、後輩指導なども整理しておくと、経験を伝えやすくなります。

「EV対応」の求人でも、担当業務を確認する

求人にEVや先進技術と書かれていても、担当する作業は企業によって異なります。

紹介されたら、次の点まで確認しましょう。

  • 実際に扱う車種
  • 点検・診断・部品交換などの担当範囲
  • 入社後の研修内容
  • 必要な資格と安全教育
  • 設備や技術情報の利用方法
  • 給与、残業、休日の条件

エージェントの説明に加え、面接や職場見学でも確認することが大切です。

登録する段階で退職を決める必要はない

求人を比較し、希望に合わなければ応募を見送ることもできます。

今の職場で学ぶ方がよいと分かれば、その判断にも役立ちます。

まずは、対応地域や支援内容を確認し、自分に合うエージェントへ登録して相談してみましょう。

▶ 研修環境と待遇を相談する|整備士向け転職エージェントの特徴と登録先を確認する

整備経験を活かすキャリアは現場作業以外にもある

新しい技術を学びながら現場を続けるほか、整備知識を別の役割で活かす方法もあります。

方向性 活かせる経験 確認したい条件
自動車検査員 点検・整備、安全確認 資格・選任要件、担当範囲
サービスフロント 技術説明、修理内容の整理 顧客対応、見積もり、販売目標
工場管理 作業配分、品質管理、後輩指導 管理責任、勤務時間、評価
技術支援・部品関連職 診断、製品知識、現場理解 応募資格、出張、必要な知識
技術アジャスター・講師 損傷確認、説明、指導 採用要件、専門知識、研修

整備士資格があれば、そのまま採用されるとは限りません。

自分の経験が応募条件に合うか、実際の求人で確認しましょう。

私は整備士から営業へ移った際、車の仕組みを理解していることが、お客様への説明に役立ちました。

整備経験は、職種を変えても活かせる土台になります。

よくある質問

EVが増えると整備士の仕事はなくなりますか?

EV化だけで整備士の仕事がなくなるとはいえません。

BEVではエンジン関連の作業が不要になりますが、車体、足回り、電装、センサーなどの整備は必要です。仕事量と収益への影響は、勤務先の入庫車種や業務内容によって変わります。

プログラミングを覚えないと働けなくなりますか?

すべての整備士に必要とはいえません。

まずは電気の基礎、配線図、診断機、技術情報を使って原因を調べる力を身につけることが大切です。

EVを扱う会社なら将来も安心ですか?

EVを扱うことだけでは判断できません。

研修、安全管理、設備、指導体制に加えて、会社の事業内容や給与・休日も確認しましょう。

転職を決めていなくてもエージェントへ登録できますか?

情報収集の段階で相談を受け付けるサービスもあります。

「転職時期は未定で、研修環境と求人条件を比較したい」と伝え、利用条件や連絡方法を確認しましょう。

まとめ|学べる環境と待遇を比較して、将来に備える

EV・自動運転・AIによって、整備士に必要な知識と作業は変わっています。

すでにOBD検査や電子制御装置整備への対応が必要になっており、電気、診断、安全手順、技術情報を扱う力が重要です。

まずは、今の職場で次の点を確認しましょう。

  • 必要な研修を受けられるか
  • 診断設備と技術情報が使えるか
  • 経験者へ相談できるか
  • 学んだ技術を実務で使えるか
  • 技術や資格が評価へ反映されるか

機会が限られている場合は、転職エージェントへ登録し、別の勤務先の研修環境と待遇を比較する方法があります。

退職を決める前に、今の経験で応募できる求人を知ることが、将来への具体的な備えになります。

▶ 整備士の経験を活かせる求人を相談する|転職エージェントの特徴と登録先を確認する

整備を続けるか、別職種へ進むかも含めて考えたい方は、仕事内容への気持ちと希望する働き方を整理してみてください。

▶ 給料・休日・作業負担から、整備士を続けるか考える

出典・確認資料

確認日:2026年10月14日

メーカーの投入計画と普及見通しは変更される場合があります。実際の整備では、最新の法令、メーカーの整備情報、勤務先の作業手順を確認しましょう。

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