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※統計・制度は2026年10月19日時点で確認できた公表資料に基づきます。
「整備士は休みが少ない」
「休日はあるけれど、土日に休めず家族と予定が合わない」
「求人票の年間休日より、実際に休めている日が少ない気がする」
こうした不満を感じながら働いている方もいると思います。
結論からいうと、自動車整備士だから必ず休みが少ないとは言えません。勤務先の営業日、シフト、人員配置によって働き方は変わります。
ただし、「休日数が少ない」「土日に休めない」「希望日に休めない」は、それぞれ別の問題です。
何を改善したいのかによって、会社へ相談する内容も、比較する求人の条件も変わるんですよね。
この記事では、公的資料と整備現場での経験をもとに、休日への不満を整理し、自分に合う勤務先を判断する方法を解説します。
整備士は本当に休みが少ないのか
週休2日の確保には、会社による違いがある
国土交通省が2025年6月に改訂した職場づくりガイドラインには、次の取り組みの実施率が掲載されています。
「勤務スケジュールを見直すことなどにより、必ず週休2日を付与している」
規模別の実施率は、次のとおりです。
- 大規模:32%
- 中規模:25%
- 小規模:20%
区分は、会社単位の整備要員数で、大規模が16名以上、中規模が6~15名、小規模が5名以下です。
これらは、2024年度に実施された国交省調査に基づく数値です。
注意したいのは、特定の取り組みについての実施率であり、全国の整備工場全体の「完全週休2日制導入率」と同じではないことです。
残りの会社がすべて週1日しか休めない、と読み替えることもできません。
ここでは、休日確保に向けた取り組みに差があることを知る資料として使います。
「整備士なら年間休日○日」とは決められない
整備士の就業先には、ディーラー、整備専業工場、自社車両の整備部門などがあります。
厚生労働省のjob tagでも、従来は利用者の利便性から日曜・祝日などに営業するケースが多かった一方、休日交替制や週休2日制を採用する企業も増えていると説明されています。
同じ整備士でも、勤務先や配属先によって条件は異なります。
「整備士だから休めない」と決めつけず、実際の休日制度と取得状況を確認することが大切です。
まずは「どの休みに不満があるか」を分ける
休日の日数が少ない
毎週の休みや連休が少なく、休息や自分の時間を確保しにくい場合です。
この場合は、年間休日、毎週の休日日数、休日出勤の実績を確認します。
会社カレンダー上の休日と、実際に出勤した日を分けると、問題を整理しやすくなります。
土日・祝日に休めない
休日数が十分でも、家族や友人と予定が合わない場合があります。
この場合、年間休日が増えるだけでは解決しないかもしれません。
必要なのは、「毎週土日休み」なのか、「月に何回か土日を休めること」なのかを決めることです。
希望する日に休めない
希望休が通りにくい、有給休暇を申請しづらい、休日が直前まで決まらない場合です。
この場合は、シフトの決定時期、希望休の調整方法、休む人の仕事をどう分担するかを確認します。
まずは、この3つのうち、自分が最も改善したいものを一つ決めてみましょう。
整備士は土日に休めないのか
土日営業と、社員が休めるかは別
利用者の都合に合わせて営業する整備工場では、土日・祝日が勤務日になることがあります。
ただし、会社が営業していても、社員が交替で休める仕組みなら休日は確保できます。
確認したいのは、次の点です。
- 土日にも希望休を出せるか
- 配属先で実際に土日を休んでいる人がいるか
- 繁忙期には制限があるか
- 希望が重なった場合、どう調整するか
- シフトがいつ確定するか
求人票の「シフト制」という記載だけでは、生活に合うかまでは分かりません。
たとえば、毎月1回の家族との外出を優先したいなら、土日休みの取得実例と、希望を出せる時期まで確認すると判断しやすくなります。
土日休みは、業態名ではなく勤務先の条件で判断する
整備の仕事を続けながら土日休みを探す場合は、自社車両の整備部門や法人向け事業者なども比較対象になります。
ただし、業態名だけで土日休みとは判断できません。
車両の稼働状況によっては、夜間や休日の対応が必要な職場もあります。
年間カレンダーに加え、配属先の勤務実績を確認しましょう。
年間休日・完全週休2日・有給休暇の違い
年間休日には、通常、有給休暇を含めない
年間休日は、会社が労働義務のない日として定めた休日の合計です。
厚生労働省の就労条件総合調査でも、年間休日総数に年次有給休暇は含まれません。
求人を見るときは、次の表現を区別します。
- 年間休日120日
- 年間休日115日+有給休暇5日
- 有給休暇を含めて年間120日休める
合計日数が同じでも、会社が定めた休日と有給休暇では性質が異なります。
GW、夏季、年末年始の休みについても、年間休日に含まれるのか、有給休暇を使う日があるのかを確認しましょう。
完全週休2日制でも、土日休みとは限らない
完全週休2日制は、毎週2日の休日がある制度です。
一方、「週休2日制」とだけ書かれている場合は、隔週や月に数回など、毎週2日とは限らない制度も含まれます。
また、完全週休2日制でも、休む曜日が月曜・火曜などの場合があります。
確認したいのは、次の3点です。
- 毎週2日休めるか
- 何曜日に休めるか
- 2日続けて休めるか
「休日数」「曜日」「連休」を分けて見ることが大切です。
振替休日と代休は、同じではない
振替休日は、事前に休日と勤務日を入れ替えるものです。
代休は、休日出勤をしたあとに、その代わりとして別の勤務日を休みにするものです。
法定休日に働いた場合は、あとから代休を取っても、休日労働に対する割増賃金が不要になるわけではありません。
事前に休日を振り替えた場合も、週の法定労働時間を超えれば、時間外労働の割増賃金が必要になる場合があります。
「手当か休みか」という二択で考えず、会社がどう扱い、実際にいつ休めるのかを確認しましょう。
他の企業では、年間休日はどれくらいあるのか
厚生労働省の2025年「就労条件総合調査」では、2024年の年間休日総数は次のとおりでした。
- 1企業平均:112.4日
- 労働者1人平均:116.6日
年次有給休暇については、次の数値が公表されています。
- 労働者1人平均取得日数:12.1日
- 取得率:66.9%
企業平均と労働者平均では、平均の計算方法が異なります。
ただし、この調査は対象産業の常用労働者30人以上の民営企業を対象としています。小規模企業まで含めた、すべての勤務先の平均ではありません。
また、整備士だけの数字でもありません。
自分の会社の休日を考える比較材料として使い、「整備士の平均年間休日は116.6日」とは読み替えないようにしましょう。
有給休暇は、取得できる仕組みまで見る
配属先での取得実績を確認する
求人票に有給休暇の記載があっても、それだけでは取りやすさまでは分かりません。
次の点を確認しましょう。
- いつまでに、誰へ申請するか
- 希望日に取得した実例があるか
- 繁忙期の申請をどう調整するか
- 取得実績は会社全体か、配属先の数字か
- 計画的に取得する日と、自分で希望する日の扱い
会社全体の取得率が高くても、自分が入る工場で同じように取得できるとは限りません。
休めるように仕事を組んでいるか
国交省のガイドラインには、社員の休暇予定を共有し、それに基づいて入庫調整や仕事の割り振りを行う事例が掲載されています。
休暇を取りやすくするには、申請を受け付けるだけでなく、休むことを前提に仕事を組む必要があります。
私が現場で見ているのは、点検項目や診断作業が増えても、作業予定時間は増えていない状況です。
この経験から、私は休日制度を確認するときも、実際の仕事量を踏まえて予定を組んでいるかを見たいと考えています。
確認したいのは、社員が休む日に、入庫台数や作業の割り振りをどう調整しているかです。
「休んでもいい」という説明に加えて、「休めるように何を調整しているか」まで聞くと、職場の運用を判断しやすくなります。
今の会社で、休日の改善を相談する方法
必要な休み方を具体的にする
最初に、自分が必要としている条件を決めます。
たとえば、次のような形です。
- 毎週2日の休みを確保したい
- 月に1回は土日を続けて休みたい
- 子どもの行事の日は休みたい
- 休日出勤後の休みを早めに確定したい
- 翌月の予定を立てられる時期にシフトを知りたい
「もっと休みたい」から一歩進めて、日数・曜日・予定の立てやすさのどれを変えたいかを伝えます。
勤務記録をもとに、現状との差を伝える
直近数か月の勤務表や勤怠記録で、次の点を確認します。
- 予定されていた休日
- 実際に出勤した休日
- 振替休日や代休の取得状況
- 有給休暇の取得状況
- 直前のシフト変更
そのうえで、希望と現状の差を相談します。
入庫調整、人員配置、シフトの組み方など、何を変えられるか、いつから対応できるかまで確認すると、改善の見通しを判断しやすくなります。
他社との比較を始めたい3つのケース
1.予定されていた休日が繰り返し出勤日になる
一時的な対応なのか、毎月続いているのかを確認します。
別の日に休めていても、直前の変更が多ければ、家族との予定は立てにくくなります。
休日数だけでなく、予定の安定性も比較したいところです。
2.休暇を取るための調整が進まない
取得の相談をしても、代わりの担当や作業量の調整が決まらない場合です。
実際の問題を伝え、対応方針と時期を確認します。
改善の見通しが立たなければ、他社の運用を調べる理由になります。
3.必要な休み方と、勤務形態が合わない
会社が休日を確保していても、毎週土日に休みたいという希望とは合わない場合があります。
これは、会社が悪いかどうかとは別の問題です。
今の職場で実現できない条件なら、その条件に合う勤務先を比較する意味があります。
求人では、休日条件を具体的な質問で確認する
求人票で分からない場合は、次のように質問してみましょう。
「年間休日に有給休暇は含まれていますか」
「配属先は毎週2日休みですか。繁忙期も同じですか」
「土日休みの希望は、どのように調整していますか」
「シフトはいつ確定しますか」
「配属先で、休日出勤はどの程度ありますか」
「振替休日や代休は、どのように日程を決めていますか」
「有給休暇を取る人の担当作業は、誰が調整していますか」
可能であれば、年間カレンダーやシフト例も確認します。
採用時には、説明された内容と労働条件通知書などを照合しておくと、入社後の認識違いを減らせます。
給料と休日はセットで比較する
休日を増やしたい場合も、生活に必要な収入を維持できるか確認しましょう。
比較したいのは、次の条件です。
- 基本給と賞与
- 残業代や休日出勤手当
- 年間休日と休む曜日
- 実際の残業時間
- 通勤時間
- 毎月の生活に必要な収入
今の年収に残業や休日出勤の手当が多く含まれる場合は、それが減ったときの金額も確認します。
年収が下がっても家族との時間を優先したい人もいれば、収入を維持できる範囲で休日を増やしたい人もいます。
どちらを選ぶ場合も、自分が受け入れられる条件を決めることが大切です。
▶ ディーラー整備士の給料・年間休日と、勤務先を比較するポイント
▶ 自動車整備士の給料は本当に上がった?年収推移と「実感がない」理由
休日への不満だけで、整備士を辞める必要はない
整備の仕事は好きでも、今の会社の休日制度が生活に合わないことはあります。
その場合は、同じ整備職で勤務先を変える方法も比較できます。
先に整理したいのは、「整備の仕事から離れたい」のか、「今の休み方を変えたい」のかです。
また、休日以外にも不満があるからといって、必ず異業種へ移るべきとは限りません。
体の負担、給与、仕事内容などについて、何を変えれば改善できるかを分けて考えましょう。
体の負担が大きい方は、休日と合わせて担当作業の見直しも必要です。
▶ 整備士の腰痛が限界…続けるべき?転職すべき?後悔しない判断基準
転職を決める前に、同じ地域の求人を比較する
まずは、資格や経験に合う求人を数件集めてみましょう。
年収、年間休日、休む曜日、残業、有給休暇の運用をそろえて比較します。
その結果、今の会社でシフトを調整する方が自分に合うと分かる場合もあります。
求人票に年間休日が書かれていても、土日休みの取りやすさや、休日出勤後の扱いまでは分からないことがあります。
まずは企業へ直接確認し、説明と年間カレンダー、採用時の労働条件を照合しましょう。
希望条件を整理しにくい場合や、企業への確認を仲介してほしい場合は、転職エージェントへの相談も選択肢です。
その際は、「休日が多い会社」だけでなく、「月に何回土日を休みたいか」「毎週2日休みたいか」まで伝えると、条件をすり合わせやすくなります。
ただし、紹介できる地域・職種はサービスによって異なります。希望に合う求人を扱っているか、先に確認しましょう。
▶ 整備士向けの転職相談先と、エージェントの使い分けを確認する
まとめ|必要な休み方を決めてから、勤務先を比較する
整備士の休日を考えるときは、次の3点を分けることが大切です。
- 休日の日数が足りないのか
- 土日など、休みたい曜日が合わないのか
- 希望日に休暇を取れないのか
年間休日が増えても、必要な日に休めなければ、不満が残ることがあります。
反対に、今の会社でシフトや仕事の組み方を調整できれば、転職せずに改善する可能性もあります。
まずは直近の勤務表を見ながら、「休日数」「休む曜日」「希望日の取りやすさ」のうち、何を最も変えたいか一つ決めてみましょう。
その条件を今の会社で調整できるか相談し、難しい場合は同じ地域の求人と比較します。
休日への不満だけなら、整備の仕事を続けながら改善する道もあります。
今の会社に残るか、職場を変えるか、別職種まで考えるか迷っている方は、次の記事で整理できます。
▶ 自動車整備士から転職するべき?続ける人・辞める人の判断基準
参考資料
▶ 国土交通省「自動車整備士等の働きやすい・働きがいのある職場づくりに向けたガイドライン」
参照日:2026年10月19日


