整備士は残業が多い?繁忙期・作業が終わらない理由と職場を見直す判断基準

整備士の転職
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※制度に関する記述は、2026年10月20日時点で確認した公表資料をもとにしています。

「定時になっても、まだ作業が残っている」

「点検や診断で確認することが増えたのに、作業予定時間は変わらない」

「整備士を続けるなら、この残業は仕方がないのだろうか」

毎日のように帰りが遅くなると、仕事そのものを続けるべきか迷うことがあります。

結論からいうと、整備士の残業は、勤務先や担当業務、時期によって異なります。年度末に仕事が集中する場合もあれば、人員や予約の組み方によって残業が続く場合もあるんです。

見直したいのは、残業時間に加えて、その原因と会社の対応です。

この記事では、繁忙期の実態、予定どおりに作業が終わらない理由、今の職場への相談や求人比較で確認したいポイントを整理します。

整備士の残業は、通常期・繁忙期・勤務先を分けて見る

求人票に「月平均残業20時間」と書いてあっても、毎月20時間で収まるとは限りません。通常期は少なく、年度末などに増える会社もあります。

また、会社全体の平均が、整備士や希望店舗の実績と一致するとも限りません。

残業を比較するときは、次の3点を分けて確認すると実態をつかみやすくなります。

  • 通常期は月に何時間くらいか
  • 最も忙しい月には何時間くらいになるか
  • 配属予定店舗の整備士は、実際にどのくらい残業しているか

ディーラーか民間整備工場か、という区分だけでも判断できません。

同じ業態でも、予約管理、人員、設備、担当する整備内容によって働き方は変わります。

年度末の車検集中は、残業が増える背景の一つ

国土交通省は、年度末の車検集中によって予約が取りづらくなり、整備士が残業や休日出勤に追われる問題を、制度改正の背景として説明しています。

この対策として、2025年4月から、車検を早めに受けても残っている有効期間を失わない期間が、満了日の「1か月前」から「2か月前」に広がりました。

混雑の緩和と、整備士の働き方の改善が目的です。

▶ 国土交通省「車検を受けられる期間の拡大について」

ただし、制度が変わっただけで、各工場の繁忙期が解消されたとは言えません。早期予約の案内や入庫の分散が、実際に行われているかが重要です。

また、降雪地域では、冬タイヤへの交換や夏タイヤへの戻しが集中する時期もあります。

こうした季節の作業と車検・点検が重なると、予約の組み方によって負担が増えます。自分の勤務先では、どの時期に、どの作業が集中するのかを把握しておきたいところです。

点検・診断の作業量が増えても、予定時間が変わらない問題

私の職場では、点検項目や診断に必要な作業が増えている一方で、作業予定時間は十分に増えていません。

確認することは増えているのに、次の作業が始まる予定は変わらない。こうした状態では、整備士個人が作業を速くするだけでは吸収しきれない部分が出てきます。

もちろん、これは私の職場での経験です。

ただ、残業を見直すときには、本人の作業スピードだけでなく、今の作業内容に予定時間が合っているかも確認したいところです。

故障診断には、原因を調べる時間が必要

故障診断は、診断機で故障コードを読み取れば終わる仕事ではありません。

症状の再現、配線や部品の点検、メーカーの技術情報の確認などが必要になる場合があります。部品交換後に、初期設定や学習、エーミングなどを行う車種もあります。

エーミングとは、カメラやレーダーなどが正しく働くように位置や向きを調整する作業です。

こうした工程を見込まずに予約を組めば、一つの診断が長引いたことで、その後の作業まで遅れることがあります。

なお、ここでいう「作業予定時間」は、職場が予約や工程管理のために確保する時間です。料金計算に使う標準作業時間などとは分けて考える必要があります。

追加整備には、交換作業以外の時間もかかる

車検や点検の後に追加整備が見つかれば、部品交換だけでなく、次のような対応も必要になります。

  • お客様への説明
  • 見積もりの作成
  • 作業内容と金額の了承確認
  • 部品の在庫確認や手配
  • 作業後の確認と記録

最初の予約時点では分からなかった作業を、どこに組み込むのか。

会社側に調整する仕組みがなければ、その日の残業で吸収することになりかねません。

整備士の技術向上は大切です。そのうえで、予定や入庫台数も見直す必要があります。

残業を減らす会社は、入庫予定と仕事の分担を見直している

国土交通省の職場づくりガイドラインには、「残業ゼロ」を方針に掲げ、数日先までの作業割り振りや、休暇予定に合わせた入庫調整などに取り組む整備事業者が紹介されています。

これは、すべての月で残業がゼロだったことを示す全国統計ではありません。会社が運営方法を変えて、負担を減らそうとしている事例です。

▶ 国土交通省「自動車整備士等の働きやすい・働きがいのある職場づくりに向けたガイドライン」

今の勤務先でも、次の対応があるかを確認すると、改善への姿勢が見えてきます。

  • 出勤人数に合わせて予約を調整している
  • 故障診断や追加整備の時間を見込んでいる
  • 営業・フロントと現場で作業状況を共有している
  • 急な入庫があったとき、納期や担当を調整している
  • 退職や欠勤が出たとき、仕事量も見直している

「早く終わらせてほしい」という指示だけなのか。予定や分担を変える動きまであるのか。

この違いは、今後も働き続けられるかを考える材料になります。

平均残業時間と固定残業代は、別の情報

求人を読むときに混同しやすいのが、「実際の残業時間」と「固定残業代に含まれる時間」です。

例えば、「月平均残業20時間・固定残業代30時間分」という条件でも、毎月30時間働くという意味ではありません。これは制度を説明するための例です。

月平均残業時間は勤務実績に関する情報、固定残業代は給与制度に関する情報なんです。

確認したいのは、次の4点です。

  • 固定残業代を除いた基本給
  • 固定残業代の金額と対象時間
  • 対象時間を超えた場合の支払い
  • 配属予定先の実際の残業時間

固定残業代があることだけで、会社の良し悪しは判断できません。また、その時間まで必ず残業しなければならないという意味でもありません。

年収を見るときも、基本給と残業代を分けて比べることが大切です。

残業代が出ていても、長時間労働の負担は残る

時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間です。

臨時的な特別の事情により特別条項を設ける場合にも、年間の時間数や、休日労働を含めた複数月の平均などに上限があります。適用する労働時間制度によって扱いが異なる点もあるため、詳しくは厚生労働省の説明で確認できます。

▶ 厚生労働省「時間外労働の上限規制」

ただし、法律の上限と、自分が無理なく続けられる時間は別です。

残業代が支払われていても、睡眠や家族との時間が削られ、疲れが抜けない状態が続くなら、働き方を見直す理由になります。

退勤処理後も業務を続けている場合は、実際の始業・終業時刻や作業内容を記録しておくと、状況を説明しやすくなります。未払い残業が疑われる場合には、労働基準監督署などへの相談も選択肢です。

今の職場を見直す3つの判断基準

1.繁忙期が終われば、通常の働き方に戻るか

年度末だけ忙しい会社と、一年中同じ状態が続く会社では事情が異なります。

過去数か月の勤怠を見て、残業が増えた時期と理由を確認してみましょう。

ただし、繁忙期であっても、無理な働き方を受け入れる必要はありません。時間数に加えて、休息が取れているか、残業代が支払われているかも確認したいところです。

2.会社が、原因に合った改善を進めているか

人手不足なら採用や入庫調整、診断の長期化なら予定時間や支援体制の見直しが考えられます。

「改善する」と言われているだけなのか。予約数や分担が実際に変わったのか。

約束だけでなく、その後の変化を見て判断するといいですよ。

採用に時間がかかる場合でも、今いる人の負担を減らす対応が進んでいるかは確認できます。

3.生活や身体に、どのくらい影響しているか

帰宅後は食事と睡眠しか取れない。休日も疲れて動けない。腰や膝の痛みが増している。

こうした状態なら、周囲と同じ時間働けているかより、自分が続けられる状態かを優先して考えたいところです。

身体の不調がある場合には、職場への相談に加えて、医療機関への相談も考えてみてください。

▶ 整備士の腰痛が限界…続けるべき?転職すべき?後悔しない判断基準

改善を相談するときは、残業の原因を記録しておく

「残業を減らしてほしい」と伝えても、何を変えるかまで話が進まないことがあります。

相談前に、次の内容を記録しておくと、問題を共有しやすくなります。

  • 実際の終業時刻
  • 担当した作業
  • 予定時間を超えた理由
  • 急な追加作業の有無
  • 作業の遅れを共有した時点

例えば、診断の長期化が続いているなら、診断予約に確保する時間や支援する担当者について相談できます。

急な入庫が原因なら、受け入れ判断や納期の決め方が話し合いの対象になります。

すべてを細かく記録するのが難しければ、まずは「何が原因で遅くなったか」を一言残すところからでも構いません。

求人や面接では、実際の運営方法まで確認する

「残業は少ないですか」と聞くだけでは、働き方をつかみにくいことがあります。

次のように質問すると、具体的な情報を得やすくなります。

  • 配属予定店舗の整備士の月平均残業時間は何時間ですか
  • 最も忙しい月は、どの程度増えますか
  • 休日出勤は、直近1年間で何回ありましたか
  • 診断が長引いた場合、次の予約や納期はどう調整しますか
  • 欠員が出た場合、入庫台数も調整しますか
  • 終業後の片付けや記録作成も、勤務時間として管理していますか
  • 残業を減らすために、最近変えたことはありますか

会社全体の平均しか分からない場合には、その数字だけで応募先の実態を決めつけないようにしましょう。

職場見学ができるなら、設備だけでなく、フロントと整備士がどのように進捗を共有しているかも確認する材料になります。

残業を減らすときは、給与と休日も合わせて比較する

残業が減ると、時間外手当が減り、年収が変わる場合があります。

生活への影響を確認するために、基本給、通常期の給与、賞与、年間休日、休日出勤をまとめて比べてみてください。

同じ年収でも、長時間残業による収入なのか、基本給や賞与が高いのかで働き方は違います。

また、残業が少なくても、休日出勤が多ければ十分に休めないこともあります。

「毎月いくら受け取れるか」と「どのくらい自分の時間を確保できるか」を、一緒に確認することが大切です。

業界全体の賃金の動きと、現場で上がった実感を持ちにくい理由はこちらで解説しています。

▶ 自動車整備士の給料は本当に上がった?統計と現場で「実感がない」理由

勤務先による給与・休日の違いを確認したい方はこちらです。

▶ ディーラー整備士の給料・年間休日と待遇の違い

整備の仕事を続けたいなら、同じ職種の勤務先も比較する

「整備は好きだけれど、毎日の残業がつらい」

その場合は、整備士を続けながら勤務先を変える選択肢があります。

同じ地域・資格・経験年数の求人を見て、給与だけでなく、繁忙期の残業、入庫管理、設備、人員も比較してみてください。

比較した結果、今の会社に残って改善を相談する方がよいと分かることもあります。他社を見る段階で、退職まで決める必要はないんです。

求人票だけでは分からない条件を確認するために、転職エージェントを使う方法もあります。

ただし、希望店舗の実態まで必ず把握しているとは限りません。回答が会社全体の情報なのか、配属先の情報なのかを確かめ、必要な点は面接でも確認すると安心です。

相談先の特徴や使い方を比較したい方はこちらです。

▶ 整備士向け転職エージェント3選|まだ転職を決めていなくても使える相談先

まとめ|残業時間と、その原因への対応を確認する

整備士の残業は、繁忙期、担当業務、人員、入庫管理によって変わります。

特に確認したいのは、次の3点です。

  • 一時的な繁忙なのか、慢性的な残業なのか
  • 作業量に見合う予定が組まれているか
  • 会社が原因に合った改善を進めているか

点検や診断の作業が増えても、予定時間が変わらなければ、現場の努力だけでは対応しきれないことがあります。

まずは自分の残業時間と、予定がずれた理由を記録する。会社へ相談し、対応が難しければ他社の働き方とも比較する。そうすると、次の選択を考える材料がそろいます。

残業を減らしたいけれど、整備の仕事は続けたい。その場合は、同じ整備職で勤務先を比較する方法があります。

一方で、仕事内容や身体の負担も含めて迷っているなら、変えたい条件を整理してから選択肢を比べると考えやすくなります。

勤務先を変えて整備士を続けるか、別の仕事も比較するか迷っている方は、こちらで判断材料を整理できます。

▶ 自動車整備士から転職するべき?続ける人・辞める人の判断基準

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