自動車整備士は何歳までできる?40代・50代から長く働くための判断基準

下書き用
記事内に広告が含まれています。

※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。
※統計・制度は2026年10月19日時点で確認できた公表資料に基づきます。

「自動車整備士は、何歳までできるのだろう」

「今の作業を、50代や60代になっても続けられるだろうか」

「仕事は好きだけれど、以前より負担を感じるようになった」

整備士として働き続ける中で、こうした不安を感じる方もいると思います。

結論からいうと、整備士の仕事に、全員共通の「○歳になったら現場を辞めなければならない」という限界年齢があるわけではありません。

ただし、会社の定年制度と、自分が安全に担当できる作業は、分けて確認する必要があります。

大切なのは、「あと何年我慢できるか」ではなく、「これからどんな作業を、どのような条件で続けるか」を考えることです。

私は整備士から営業へ移り、その後は工場管理も経験してきました。営業へ移るきっかけは、腰痛が悪化し、思うように作業できなくなったことでした。

この経験から、年齢だけで続ける・辞めるを決めず、仕事内容と職場の対応を合わせて見る必要があると考えています。

  1. 自動車整備士は何歳まで働けるのか
    1. 平均年齢は47.7歳。ただし、個人の限界年齢は分からない
    2. 「雇用される年齢」と「今の作業を続けられる年齢」は別
  2. 60代以降は、雇用制度と実際の勤務条件を確認する
    1. 65歳までの雇用確保と、70歳までの就業機会確保は異なる
    2. 80歳前後の勤務事例から参考にしたいこと
  3. 40代・50代からは、負担になっている作業を具体化する
    1. 年齢だけでなく、何がきついのかを書き出す
    2. 作業が増えても、予定時間が変わらない問題もある
  4. 整備士を続けるなら、役割を変える準備も必要
    1. 診断・検査・指導・管理へ仕事の比重を変える
    2. 役割変更では、減る仕事と増える仕事の両方を見る
  5. 長く働くために確認したい職場の5つの条件
    1. 1.負担を減らす設備を実際に使える
    2. 2.作業内容に応じて予定を調整している
    3. 3.技術や役割が評価される
    4. 4.ベテランの働き方に具体的な実例がある
    5. 5.今後の配置と学び直しの条件が分かる
  6. 40代・50代から、会社へ確認しておきたいこと
    1. 40代は、今後選べる役割と必要な条件を確認する
    2. 50代は、担当作業と定年後の条件を具体化する
  7. 今の会社で続けるか迷ったら、変更したい条件を伝える
  8. 求人を見るなら、担当作業と継続勤務の条件を確認する
  9. まとめ|整備士は「何歳まで」より、続けられる条件を確認する
  10. 参考資料

自動車整備士は何歳まで働けるのか

平均年齢は47.7歳。ただし、個人の限界年齢は分からない

日本自動車整備振興会連合会(日整連)の「令和7年度 自動車特定整備業実態調査」では、自家工場を除く整備要員の平均年齢は47.7歳です。

業態別では、次のようになっています。

  • 専業:53.0歳
  • 兼業:49.0歳
  • ディーラー:37.9歳

出典:日整連「令和7年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要」。www.jaspa.or.jp

「整備要員」は、国家資格を持つ整備士だけを集計した数字ではありません。

また、この平均値からは、一人ひとりの担当作業、勤務時間、健康状態までは分かりません。

専業の平均が53.0歳だからといって、「誰でも53歳までは同じ作業を続けられる」とは判断できないんです。

ディーラーとの年齢差も、そのまま働きやすさや体力の限界を示す数字ではありません。

平均年齢は業界の年齢構成を知る資料として使い、自分が続けられるかは、実際の作業と勤務条件から考えましょう。

「雇用される年齢」と「今の作業を続けられる年齢」は別

何歳まで働けるかを考えるときは、次の3つを分けると整理しやすくなります。

  1. 会社の制度上、何歳まで働けるか
  2. 今の担当作業を、安全に続けられるか
  3. 仕事内容や勤務時間を変えて働けるか

継続雇用制度があっても、今と同じ給与・役割・勤務時間が続くとは限りません。

反対に、作業の分担や勤務日数を調整することで、経験を活かし続けられる場合もあります。

確認したいのは年齢だけでなく、その年齢になったときの働き方です。

60代以降は、雇用制度と実際の勤務条件を確認する

65歳までの雇用確保と、70歳までの就業機会確保は異なる

定年を65歳未満に定めている事業主には、原則として次のいずれかの措置が必要です。

  • 65歳まで定年を引き上げる
  • 65歳までの継続雇用制度を導入する
  • 定年を廃止する

一方、対象となる事業主に対する70歳までの就業機会確保は努力義務です。65歳までの制度と同じではありません。www.mhlw.go.jp

これらは、希望する作業を同じ条件で続けられることを保証する制度ではありません。

勤務先では、次の点を確認しておきましょう。

  • 定年年齢
  • 再雇用後の契約期間と更新条件
  • 給与、賞与、手当
  • 勤務日数と勤務時間
  • 担当業務と配属先

定年直前に初めて知るより、早めに確認した方が生活と仕事の計画を立てやすくなります。

80歳前後の勤務事例から参考にしたいこと

国土交通省の2025年6月の職場づくりガイドラインには、奈良県の有限会社南豊サービスの事例が掲載されています。

同社では、休暇予定に基づく入庫調整や業務配分などを実施。個人の希望に応じた勤務形態により、80歳前後の整備要員も嘱託として勤務を続けていると紹介されています。www.mlit.go.jp

ただし、その方の担当作業や勤務時間の詳細までは示されていません。

「整備士なら80歳まで重整備ができる」という根拠にはできません。

参考になるのは年齢そのものより、仕事の組み方や勤務形態を調整している点です。

40代・50代からは、負担になっている作業を具体化する

年齢だけでなく、何がきついのかを書き出す

「最近、整備の仕事がきつい」と感じたら、まず負担の中身を分けてみましょう。

  • タイヤや部品などの重量物を扱う作業
  • 中腰や上向きの姿勢が続く作業
  • 狭い車内での作業
  • 同じ作業が集中する繁忙期
  • 暑さや寒さ
  • 残業や休みの少なさ

同じ年齢でも、担当作業や設備、人員配置によって条件は変わります。

「50代になったから無理」と決める前に、どの作業を減らしたいのか、何を変えれば続けやすくなるのかを整理します。

痛みが続く場合や作業に支障がある場合は、年齢のせいと決めつけず、医療機関などへ相談したうえで担当業務を調整しましょう。

腰痛と働き方については、次の記事で詳しく整理しています。

▶ 整備士の腰痛が限界…続けるべき?転職すべき?後悔しない判断基準

作業が増えても、予定時間が変わらない問題もある

私が現場で見ているのは、点検項目や診断作業が増えている一方で、作業予定時間は増えていない状況です。

確認することが増えても、以前と同じ時間の中で対応することになります。

ここでいう作業予定時間は、現場で仕事を組む際の時間です。お客様へ請求する工賃とは別の話です。

こうした状況では、本人の体力や経験だけで負担を解決するのは難しいんですよね。

長く続けられるかを考えるときも、作業量と予定時間が合っているか、追加作業を誰が調整するかまで見たいところです。

これは私の勤務先での経験であり、すべての整備工場に共通する話ではありません。

整備士を続けるなら、役割を変える準備も必要

診断・検査・指導・管理へ仕事の比重を変える

整備経験を活かす方法は、同じ作業を同じ量だけ担当し続けることに限りません。

たとえば、次のような役割があります。

  • 故障診断
  • 検査業務
  • 後輩の技術指導
  • 整備品質の確認
  • 工程管理
  • サービスフロント
  • 工場管理

ただし、年齢が上がれば自動的に移れるわけではありません。

必要な資格、本人の適性、社内の役割やポストによって変わります。自動車検査員も、整備経験だけで直ちに担当できるものではありません。

「将来は管理に回れるだろう」と待つより、必要な条件を確認して準備することが大切です。

役割変更では、減る仕事と増える仕事の両方を見る

診断でも、車両の確認や測定などによる作業負担は残ります。

サービスフロントでは接客や日程調整、管理職では人員配置や品質管理などの責任が増えます。

私も営業へ移り、現場作業による体への負担は減りましたが、営業目標へのプレッシャーを経験しました。

役割を変えるときは、「作業から離れられるか」だけでなく、「新しく何を任されるか」も確認する必要があります。

特に注意したいのは、後輩指導や管理を任されても、元の担当台数が変わらないケースです。

仕事が上乗せされるだけにならないよう、役割変更と作業量の調整をセットで考えましょう。

長く働くために確認したい職場の5つの条件

1.負担を減らす設備を実際に使える

重量物の移動や持ち上げを補助する機器など、作業負担を減らす設備を確認します。

設備があっても、数が足りない、取り出しにくい、予定が詰まって使いにくい状態では、十分に活用できません。

「置いてあるか」だけでなく、「普段の作業で使えるか」を見ます。

2.作業内容に応じて予定を調整している

車種、作業内容、追加診断などに応じて、予定を組み直せるかを確認します。

経験者に難しい仕事が集まるのに、時間配分が変わらなければ、負担が集中する可能性があります。

入庫台数だけでなく、作業内容まで踏まえて割り振っているかがポイントです。

3.技術や役割が評価される

診断、検査、指導、管理などの仕事が、評価や手当にどう反映されるかを確認します。

私の勤務先では定期昇給はありますが、増えた作業が給与へ反映されているとは感じていません。

長く働くことを考えるなら、経験を積むほど仕事だけが増える状態になっていないかも見たいところです。

4.ベテランの働き方に具体的な実例がある

50代・60代の人が働いているなら、年齢だけでなく仕事内容を見ます。

  • どの作業を担当しているか
  • 残業や勤務時間はどうか
  • 指導や管理を兼任しているか
  • 本人の希望に応じた調整があるか

別の会社を検討する場合も、「ベテラン活躍中」という言葉から一歩進めて、配属先の実例を聞くと判断しやすくなります。

5.今後の配置と学び直しの条件が分かる

将来の役割変更や定年後の働き方に加え、必要な技術を学べる環境も確認します。

診断技術などを学ぶことは、担当できる仕事を広げる準備になります。

ただし、知識を身につければ必ず負担の少ない仕事へ移れるわけではありません。会社の配置と評価の仕組みも必要です。

車両技術の変化については、次の記事で詳しく解説しています。

▶ 整備士の将来性と、EV・電子制御化に対応できる職場の選び方

40代・50代から、会社へ確認しておきたいこと

40代は、今後選べる役割と必要な条件を確認する

今の作業を続けながら、診断、検査、指導、フロントなどへ役割を広げる条件を調べます。

必要な資格、研修、社内異動の条件が分かれば、何を準備するかを決めやすくなります。

転職を具体的に考えている方は、今の会社での見通しと、応募できる求人条件を比較しましょう。

▶ 40代整備士の転職は厳しい?現実的な転職先と確認したい条件

50代は、担当作業と定年後の条件を具体化する

「将来は考える」という話から、何をいつ変えられるかまで確認したいところです。

担当作業、勤務時間、役割、給与について、自分の希望と会社の想定をすり合わせます。

定年後も働く予定なら、勤務日数だけでなく、担当する作業量まで確認しましょう。

短時間勤務になっても、仕事が限られた時間へ集中すれば、負担が減るとは限りません。

これらは年齢ごとの一律の基準ではなく、準備を整理するための目安です。

今の会社で続けるか迷ったら、変更したい条件を伝える

最初に、負担になっている作業と、会社に相談したい条件を書き出してみましょう。

たとえば、次のように整理できます。

  • 重量物を一人で扱わない体制にしたい
  • 難しい診断には予定時間を確保したい
  • 指導を担当する日は、通常の作業量を調整したい
  • 定年後の勤務日数、仕事内容、給与を確認したい

「年齢的につらい」と伝えるだけでなく、具体的な作業と変更案を示すと、話を進めやすくなります。

相談するときは、対応できる内容と、難しい内容、実施できる時期まで確認するとよいでしょう。

今の会社では調整が難しい場合は、別の整備工場で同じ条件を確認します。

それでも希望する働き方が見つからない場合に、別職種まで比較する方法があります。

▶ 整備経験を活かせる転職先と、仕事の選び方

▶ 整備士から異業種へ転職する場合の仕事内容と注意点

求人を見るなら、担当作業と継続勤務の条件を確認する

長く働ける職場を探すなら、年収と休日に加えて、次の内容を確認します。

  • 実際に配属される工場
  • 日常的に担当する作業
  • 重量物の取り扱いと補助設備
  • 診断・検査・指導の役割分担
  • 配置変更の実例と条件
  • 定年と再雇用後の仕事内容

求人票で分からなければ、面接や職場見学で確認しましょう。

なお、整備分野の求人が多くても、自分の年齢や希望条件で採用されること、退職後に同じ条件で復職できることは保証されません。

退職を先に決めず、在職中に比較すると、仕事内容と生活条件を確認しながら判断できます。

企業へ直接質問しにくい項目がある場合や、希望条件を整理したい場合は、転職エージェントへの相談も選択肢です。希望する地域・職種を扱っているかを先に確認しましょう。

▶ 整備士向けの転職相談先と、エージェントの使い分けを確認する

まとめ|整備士は「何歳まで」より、続けられる条件を確認する

整備士を続けられる年齢は、平均年齢だけでは判断できません。

確認したいのは、次の3点です。

  1. 今の担当作業を安全に続けられるか
  2. 作業量、勤務時間、役割を調整できるか
  3. 定年後も含め、仕事内容と生活条件が合うか

年齢だけを理由に辞める必要はありませんが、今と同じ働き方を続けることだけが選択肢でもありません。

私自身、腰痛をきっかけに役割を変えた経験から、体の負担と仕事内容を合わせて考える必要があると感じています。

まずは、負担になっている作業と、会社に相談したい条件を具体化してみましょう。

そのうえで、今の会社に残るか、別の会社で整備士を続けるか、別職種へ移るかを比較すると判断しやすくなります。

▶ 自動車整備士から転職するべき?続ける人・辞める人の判断基準

参考資料

▶ 日本自動車整備振興会連合会「令和7年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要」

▶ 厚生労働省「高年齢者の雇用」

▶ 国土交通省「自動車整備士等の働きやすい・働きがいのある職場づくりに向けたガイドライン」

参照日:2026年10月19日

タイトルとURLをコピーしました