
2台目の自動車保険は「6等級」なのか「7等級(セカンドカー割引)」なのか。
この違いを1つ間違えるだけで、年間1〜3万円の保険料差が生まれることは珍しくありません。
特に、
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家族で複数台を所有する家庭
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若い子どもの車を追加するケース
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車とバイクを同時に所有している世帯
では、条件を誤解して“あとから後悔する”ケースを非常に多く見てきました。
この記事では、整備士+営業として数多くの相談に向き合ってきた経験から、
**「あなたの家庭がどの等級になるのか」**を最短で判断できるように、具体例を交えて徹底的にわかりやすく解説します。
2台目の等級は「3つのどれか」で決まる(最重要ポイント)
2台目の新規契約は、必ず次のいずれかの等級からスタートします。
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7等級(セカンドカー割引)
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6等級S(事故なし)
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6等級F(事故あり期間の扱い)
制度自体はシンプルですが、例外を理解しているかどうかで数万円の差がつくため、正確に理解しておきましょう。
① 7等級(セカンドカー割引)※最も安い開始等級
一般新規(6等級)より割引率が高く、2台目でもっとも保険料が安くなるパターンです。
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保険会社から見て「優良な世帯」と判断される証拠
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若年層の2台目(子どもの車)で特に効果が大きい
実務でも 「1台目は親・2台目は免許取りたての子」 の家庭では、7等級の恩恵が非常に大きいと実感しています。
② 6等級S(事故なし)
セカンドカー割引を使わない場合の一般スタート。
過去の事故歴がなければ通常はこちらになります。
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翌年から1等級ずつ上がる
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事故なし期間(S)が続けば保険料は順調に下がる
「SかFか」は保険料に直結するため、必ず確認が必要です。
③ 6等級F(事故ありの扱い)
以下の状況で「事故あり係数適用期間(A)」が残っていると F が適用されます。
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過去契約で事故をしていた
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解約タイミングが事故直後だった
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中断証明の戻し方が特殊だった
6等級Fは割増がつくため、
年間1〜2万円程度、高くなるケースが多いです。
7等級で始められる「セカンドカー割引」の条件(3つすべて必要)
7等級は非常に魅力的ですが、1つでも欠けると適用されません。
ここが実務でも誤解が多く「最も間違いやすいポイント」です。
① 同居家族であること(別居はNG)
感覚と制度が最もズレるのがここです。
制度上の同居=住民票が同じであること
例:NGになるケース
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進学のため一人暮らし中の子
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書類上は別住所の単身赴任の夫
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結婚して世帯分離した子
契約者が親でも「同居扱いにならない」ため注意が必要です。
② 主契約(1台目)が11等級以上であること
これは非常に見落とされやすい要件。
1台目が11等級未満 → セカンドカー割引は使えない
よくある誤解パターン:
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事故で10等級に落ちていた
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昔の事故の影響で等級が上がっていなかった
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2台目だから自動で7等級になると思っていた
実務でもこの誤解が最も多く、後悔に繋がりやすい部分です。
③ 新規で車が「2台になる瞬間」であること
「台数が増える」タイミングでしか適用されません。
NGとなるケース:
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車の入替(1台→1台)
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一度解約して再加入
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契約車の切替(車両入替)
“台数が増えるかどうか” が最重要。
ケース別|あなたの家庭はどの等級になる?(実務で最も多いパターン)
ケース①|夫20等級 → 妻の車を新規加入
→ 7等級スタート(OK)
典型的な成功例。条件をすべて満たしています。
ケース②|父9等級 → 息子の車を追加
→ 6等級スタート
1台目が11等級未満のためセカンドカー割引は不可。
ケース③|別居の子に親が契約してあげる
→ 6等級スタート
別住所=同居扱いにならず、7等級は不可。
ケース④|過去に事故があり10等級の契約がある
→ 6等級S または 6等級F
事故歴の有無により開始等級が変動。
保険料の差が大きいので要注意。
バイクはセカンドカー割引対象?【誤解が非常に多い】
① バイク → 車 は対象外
バイクは二輪契約であり、車の等級制度とは完全に別管理です。
② 車 → バイク も対象外
逆パターンも同様。連動しません。
③ よくある誤解|原付(125cc以下)は別物
自動車保険の“ファミリーバイク特約”とは全く異なる仕組みです。
ここを混同する人が非常に多いです。
2台目の保険をもっと安くする方法(実務で必ず伝えていた節約術)
① 比較時は「条件を揃える」ことが絶対条件
以下を一致させて比較しないと正しい判断ができません。
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年齢条件
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使用目的(通勤・レジャーなど)
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年間走行距離
揃っていない見積もり比較は“誤差ではなく錯覚”です。
② 主契約(1台目)の車入替に注意
1台目の入替によって等級がリセットされるケースがあります。
家族で車を入れ替えるときは、必ず事前確認を。
③ 保険会社ごとに「扱いが違う」ことがある
実務ではよくあるパターンです。
例:
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A社 → 7等級扱い
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B社 → 6等級扱い
複数社を比較する価値は非常に高いです。
まとめ|2台目の等級は“仕組みを知れば迷わない”
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2台目の開始等級は 6等級 or 7等級
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7等級の条件は
「同居」「11等級以上」「新規追加」 の3つ -
バイクは対象外
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家族構成・事故歴で開始等級は変わる
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比較時は条件を揃えないと判断を誤る
制度自体は難しくありません。
正しい条件を知れば、保険料をムダに払うこともなくなります。
🔍 Q&Aセクション
Q1:2台目は必ず7等級になるの?
→ いいえ。3条件を満たさないと6等級開始です。
Q2:主契約が10等級でも7等級は使える?
→ 使えません。11等級以上が必須です。
Q3:別居の子でも親が契約すれば7等級?
→ 住民票が同一でないと不可です。
Q4:事故歴があると2台目は必ずFになる?
→ 必ずではありませんが、事故有り期間(A)残りによりFになります。
Q5:車の入替でもセカンドカー割引は使える?
→ 使えません。台数が増えたときのみ適用です。


