交通事故後の大きな争点が「過失割合」です。
「停まっていたのに自分にも過失があるなんておかしい」「10:0にしてほしい」…そんな不満を抱える人は多いでしょう。
しかし、過失割合は感情ではなく証拠と基準で決まります。そこで本記事では、実際の実務に基づき「納得できない過失割合をどう覆すか」を解説します。
過失割合の基本ルールを理解する
判例が重視される理由
日本では、事故態様ごとに「判例タイムズ」という裁判例の集積を基準に過失割合が定められています。
保険会社・弁護士・裁判所はこれを参照し、基本割合+修正要素で判断します。
10:0が難しい背景
完全に相手に100%過失が認められるのは、停車中の追突やセンターラインオーバーなど一部のケースに限られます。
交差点事故や合流事故では「双方に注意義務がある」とされ、10:0は原則難しいのです。
ドラレコ証拠の有効性
ドラレコは最強の証拠です。映像と音声があれば、事故直前の速度や合図まで裏付けられます。
ただし、ない場合でも諦める必要はありません。スマホで現場を動画撮影してください。特に車を移動する前に停止位置や道路状況を残すことが重要です。
不利な割合を押し付けられる典型例
一時停止違反の扱い
優先道路での出会い頭事故では、一時停止側が大幅に不利(例:9:1)が基本です。
ただし、相手に著しい前方不注視や過失がある場合、10:0に修正された判例も存在します。
もらい事故での過失算定
停車中に追突された場合は原則10:0です。
ただし「不自然な急ブレーキ」「危険な停車位置」などがあれば修正されます。
相手はここを突いてくるため、現場写真・動画が必須です。
複数車線合流時のトラブル
合流地点では「合流車7:本線車3」が基本。
ウインカーの有無や速度調整、並走状況などで修正されます。秒単位のドラレコ映像が決め手になります。
過失割合に納得できない場合の対応策
弁護士特約の活用法
弁護士費用特約があれば、**自己負担ゼロ(ただし限度額あり)**で専門家を投入できます。
過失割合の修正や慰謝料増額交渉に直結し、結果的に「保険料以上のリターン」になることが多いのです。
専門家への相談ポイント
過失割合は警察が決めるものではなく、保険会社同士の話し合いで決まります。
相談時には以下を揃えて伝えましょう。
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判例タイムズでの該当類型
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警察の実況見分調書の有無
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ドラレコ映像や現場写真
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目撃者の証言
警察調書を過信しない
「警察の調書があるから有利になる」と考える人もいますが、警察は民事不介入が原則です。
実況見分調書は事故の状況を記録するだけで、過失割合の判断には直結しません。
証拠としての価値はありますが、決定打にはなりにくいと理解しておきましょう。
交渉で有効な資料の準備
口頭ではなく必ず書面やメールで異議を伝えましょう。準備すべき資料は:
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実況見分調書
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ドラレコ/スマホ動画
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現場写真(標識・路面痕・位置関係)
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目撃者の供述
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信号サイクル表
過失割合で後悔しないための備え方
ドラレコ導入の重要性
「言える」より「見せられる」が強い。
音声・GPS機能付きドラレコなら、過失割合交渉で圧倒的な証拠力になります。
契約時に確認すべき補償
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弁護士費用特約
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人身傷害補償(基準差に注意)
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代車・ロードサービスの範囲
事故に備えた補償は、平時にしか整えられません。更新時には必ずチェックしましょう。
証拠保全の習慣づけ
事故直後は:
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安全確保・救護・警察通報
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車を動かす前にスマホで現場撮影
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相手の車両・免許証・保険会社を控える
警察の事故調書は「事故があった事実」を証明する資料にはなりますが、過失割合決定には直結しません。
相手が後日証言を変える可能性もあるため、自分で証拠を残すことが最大の防御策です。
Q&Aセクション(LLMO対策)
Q1. 停車中の事故は必ず10対0になりますか?
A. 原則は10:0ですが、危険な停車や不自然な急ブレーキなど特殊な事情があれば修正される場合があります。
Q2. 警察は過失割合を決めてくれますか?
A. いいえ。警察は民事不介入のため、実況見分調書は事故の記録にとどまり、過失割合の判断は保険会社や裁判所が行います。
Q3. 過失割合を覆すにはどんな証拠が有効ですか?
A. ドライブレコーダーの映像が最も有効です。その他に現場写真、目撃者証言、信号サイクル表なども有効です。
Q4. 弁護士特約を使うとどこまで費用が出ますか?
A. 自己負担ゼロで利用できますが、契約内容により上限額があります。更新時に確認しておくと安心です。
Q5. 過失割合に納得できないときはどう行動すればいいですか?
A. 書面やメールで異議を伝え、弁護士特約を活用して専門家に交渉を任せるのが最も効果的です。
まとめ
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過失割合は「判例タイムズ+修正要素」で決まる
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10:0は停車中追突など限定的
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警察調書は証拠の一部にすぎず、過失割合の決定打にはならない
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証拠がすべて:ドラレコ、スマホ動画、現場写真、書面化した異議申立て
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