
「整備士の仕事って、実際どこまでやるの?」
「点検と車検くらいじゃないの?」
そんな疑問を持つ人はとても多いですが、結論から言うと
整備士の仕事は “点検・車検・故障診断・リコール対応” の4つが中心で、
車の安全を守り、故障を未然に防ぐ“予防のプロ” です。
本記事では、
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国家2級整備士
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メーカー1級エンジニア
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ディーラー工場で10年以上勤務
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整備士コンテスト全国大会出場
という経歴を持つ筆者が、
整備士の仕事を「初心者でも立体的に理解できる形」で整理して解説します。
読み終えるころには、
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整備士の仕事が体系的にわかる
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ディーラー整備にお金を払う理由が理解できる
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車のトラブルを避けるために何をすべきか判断できる
この状態に確実に到達できます。
結論:整備士の仕事内容は4つの柱でできている
整備士の仕事は、次の4つで構成されています。
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点検(12ヶ月点検・車検前点検)
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車検(分解整備・保安基準適合)
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故障診断・修理(電子制御の診断)
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リコール・サービスキャンペーン対応(メーカーと連携)
以下では、初心者でも理解できるよう、やさしく解説します。
整備士が4つの仕事をする理由(安全基準・再発防止の根拠)
整備士の基本姿勢は、
「壊れてから直す」ではなく「壊れる前に防ぐ」こと。
これは、事故・故障の多くが「予兆」から始まるためです。
1. 「部品を直す」より「原因を特定する」が重要
もし原因を特定しないまま部品だけ交換すると…
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同じトラブルが再発
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運転中の重大事故につながる
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メーカー保証に影響する
ディーラー整備士が“診断力”を重視するのはこのためです。
2. 「安い整備=安全」ではない理由
例:
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激安ブレーキパッド
→ 減りが早い/鳴きやすい/制動力が弱い・前後のブレーキの制動力バランスが崩れる -
格安エンジンオイル
→ 熱で早く劣化し、エンジン寿命が短くなる(スラッジ汚れの堆積・金属可動部の摩耗)
安全を守るには「適切な部品」を選ぶ必要があります。
3. 予防整備は“安全”だけでなく“節約”にもなる
放置した結果…
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レッカー代
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代車費用
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隣接部品の破損で修理費増
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旅行・仕事が中断
など、壊れてからの方が圧倒的に高くつきます。
整備士の仕事内容を具体的に解説(実務エピソードあり)
① 点検(12ヶ月点検・車検前点検)
点検の目的は 「安全を確認すること+故障を未然に防ぐこと」。
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サスペンションのガタ
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ブレーキ残量
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バッテリー状態
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タイヤ(溝・空気圧)
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エンジン異音
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衝突軽減ブレーキなど電子制御の確認
▼実務エピソード
12ヶ月点検で「タイロッドエンドブーツの破れ」を見つけたお客様。
「まだ走れるなら交換しなくていい」と言われました。
しかし放置すると最悪の場合、
ステアリング操作が効かなくなるため丁寧に説明。
結果、交換し
「高速道路で家族を乗せるとき安心できる」と感謝されました。
② 車検(分解整備)
車検は“通すだけ”の作業ではありません。
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ブレーキ分解
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足回りのガタ確認
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オイル漏れ
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下回り腐食
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排気ガス検査
安全を担保するための分解整備が中心です。
③ 故障診断(電子制御車の時代)
最近の車は電子制御の固まり。
診断機で故障コードを読んだあと、
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ログデータ分析
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実際の症状再現
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故障原因の切り分け
と進みます。
部品交換よりも“診断”が難しいのが現代整備士の仕事です。
④ リコール・サービスキャンペーン
メーカーとオンラインで技術情報を共有し、
最新の改善作業を無償で実施します。
ディーラー整備士の強みは、
「最新情報」と「専用工具」が揃っていることです。
よくある誤解・落とし穴
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車検だけ通せば安全 → ❌
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安さ重視でOK → ❌
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故障は予兆なく起きる → ❌(ほぼ予兆あり)
“知らないことで損する”ポイントが多いため、
最低限の知識は持っておくべきです。
初心者がまずやるべき整備(行動リスト)
最低限、下の4つだけ見ていればOK。
① オイル交換
一般的なガソリン車は 5,000〜7,000kmまたは半年が目安。
→ エンジン寿命に直結。
② タイヤ
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溝3mm以下 → 雨の日は止まりにくい
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空気圧不足 → バーストリスク&燃費悪化
③ バッテリー
寿命:3〜5年
特に夏・冬に弱い。
④ ブレーキ
摩耗は走るほど確実に進む。
異音が出たらすでに危険サイン。
整備士のキャリアパス(未来が広い)
整備士のキャリアは「工場だけ」では終わりません。
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見習い整備士
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2級整備士
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メーカー1級整備士
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工場長
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サービスフロント
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サービスマネージャー
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営業職
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本部スタッフ(技術指導・研修)
筆者も
整備 → 営業 → 保険 → 新人教育
とキャリアを広げました。
整備経験がある営業は、
「車の本質を語れる人」として高く評価されます。
まとめ(重要ポイント3つ)
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整備士の仕事は 点検・車検・診断・リコール の4本柱
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ディーラー整備は「再発防止」「原因特定」が最優先
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初心者はまず オイル・タイヤ・バッテリー・ブレーキ を見れば安全
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Q&A
Q1. ディーラー車検はなぜ高い?
A. 分解整備・診断・再発防止の基準が厳しいためです。
Q2. 部品交換をすすめられたら断ってもいい?
A. 安全に関わる場合が多いため、理由を確認して判断するのが最適です。
Q3. とりあえず何から整備すべき?
A. ブレーキ・タイヤ・バッテリー・オイルの4つです。
Q4. 民間工場とディーラー整備、どう違う?
A. メーカー技術情報・診断機の精度・リコール対応に差があります。
Q5. 故障診断って何をしているの?
A. 故障コードの読取、ログ解析、症状再現、原因の切り分けです。
Q6. 高い車ほど整備費用も高いの?
A. はい。電子制御が高度なほど、点検項目・部品価格が上がる傾向にあります。


